共通の夢の実現に
17年7月7日、国連本部において圧倒的賛成多数で、核兵器を国際人道法の原則に反する兵器として、開発から使用まで全面的に禁止する「核兵器禁止条約」が採択されました。国連事務総長は、「条約は、核兵器のない世界という共通の夢の実現に大きく貢献する重要な一歩です」と語りました。
被爆者の願いと地道な運動が「人間の魂に触れ」、「核兵器のない世界を求めるヒバクシャ国際署名」が国際世論を動かしたのです。
核兵器禁止条約は、50か国が批准することで効力が発生します。すでに調印は83か国、批准は44か国となっており、あと6か国で法的拘束力のある禁止条約が発効されることになります。
「ヒバクシャ国際署名」は、1100万筆を超え、県内でも約90万筆に達しています。禁止条約の年内発効のため、日本政府に批准を求めるため、署名を国連に届けることが大きな力になります。
オンラインで世界大会
原水爆禁止世界大会は毎年8月6日と9日を中心に広島と長崎で開かれます。今年は、コロナ禍のためオンラインで開催されました。
今年の世界大会は、「核兵器やパンデミックとともに、気候変動や貧困問題など、グローバルな危機を解決するためには、国際的な協力が欠かせません。“抑止力”の名による核兵器への固執は、新たな拡散と対立の原因となっており、こうした行為は、人類をさらなる危機にさらすものでしかありません」という主催者声明のもと、国連や各国の代表から「被爆75年の今こそ核兵器廃絶」のメッセージが届きました。
9日の世界大会・長崎デーで武本匡弘さん(環境活動家、プロダイバー)は、世界の海中の実態を見続けるなかで、気候危機によって海中の環境破壊が進んでいることを、海中写真を示しながら告発。「神奈川・江の島付近の海にはコンブや海洋植物が繁茂していたが、今年はほとんど見当たらない。私たちの生活や経済活動が地球の気候を変えてしまっている。沖縄・辺野古の新基地建設工事によって、サンゴ礁が破壊されている。人間と環境を一瞬に破壊するのが核兵器だ」と指摘しました。
「平和の波」行動
世界大会と同時期に、核兵器廃絶を求める市民参加の「平和の波」行動がとりくまれ、日本を起点に地球を一周しました。
神奈川労連などは6日に横浜駅で宣伝を行い、広島の原爆投下の時刻8時15分に黙とうし、9日は桜木町駅でアピール行動を行いました。終戦記念日の15日にも、「核兵器はいらない」スタンディングを行い、若者やファミリー層から署名や共感を得ました。