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2020年8月3日

中央最賃審議会が極めて不当な答申

359-02

 7月22日、中央最低賃金審議会は「地域別最低賃金改定の目安について(答申)」を出しました。

 内容は、「引上げ額の目安を示すことは困難であり、現行水準を維持することが適当」とする、使用者側の主張を丸のみした極めて不当なものです。理由として、「新型コロナウィルス感染症拡大による現下の経済・雇用・労働者の生活への影響、中小企業・小規模事業者が置かれている厳しい状況、今後の感染症の動向の不透明さ、こうした中でも雇用の維持が最優先であること等を踏まえ」たと述べています。

引き上げが必要

 この理由には、大きな誤りがあります。新型コロナによる休業で労働者が即座に生活困窮に追い込まれ、労働相談などに助けを求める訴えが数多く届いています。低すぎる最低賃金すれすれで働くことを余儀なくされている労働者が多いためです。「労働者の生活への影響」を考慮するのであれば、一定余裕の持てる最賃水準に引き上げることが必要です。そのことが社会の安定や発展にもつながります。

 また、中小零細企業の厳しい状況に言及していますが、だから「現行水準維持」ではなく、政府が抜本的な支援策を講じればよいことです。米兵器の爆買いなどをやめ、大企業の内部留保に課税すれば財源はあります。さらに、「感染症の動向」と最賃引き上げは直接的には関係ありません。

 そして、「雇用の維持が最優先」としていますが、最賃を引き上げなければ雇用が守られる保障などありません。経済再建ができなければさらに失業が増える危険があります。インバウンドや海外輸出が当分は期待できないなか、内需の拡大でしか経済は良くなりません。内需拡大には賃金引き上げ、最賃の大幅引き上げが不可欠です。実際、イギリスでは最低賃金を6%引き上げています。

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