「労働組合をつくらなければダメだと思いました」。県医労連個人加盟・MJG労働組合準備会委員長のAさんと初めて会った時の最初の言葉です。Aさんは2019年1月に株式会社MJG接骨院に施術者(柔道整復師)として入社しました。
違法や不正
MJGは全国に約180の接骨院などを運営しています。それぞれの院は施術者と受付職員の数人で営業。昨秋に受付職員の『実質解雇』が始まりました。受付職員がいなくなったことで、売上げは激減。「違法広告」や「保険不正請求」の行政指導も明らかになり、有志数人が集まって今後の活動を相談しました。
Aさんは、「どうすればいいのか、全くわからずネットでいろいろ調べました。ツイッターで『#MJG』を検索したら、神奈川労連にヒットして今につながっています」と振り返ります。
組合への結集や、本社要請、団体交渉などすべてSNSを通じて呼びかけ、組合員は現在約30人。行動には初めて会う施術者が参加し、行動後には組合加入が続きます。
いまは、残業代や2月分賃金の支払いなど12項目の要求実現を求めて、記者会見、団体交渉、厚労省・労働局要請を行っています。賃金不払いはまだ解決していませんが、「約700万円の通勤費の支払い」の労使合意書を締結し支給させました。
MJG労働組合準備会のTwitterアカウト https://twitter.com/MjgUnion
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労使協定にこだわる
今後は、違法だらけの会社を正し、過半数組合をめざしています。「労働組合なんだから、労使協定の締結にこだわっているんです」。そして全国初の「施術者労働組合」を立ち上げ、施術者と患者さんの笑顔が夢だと語っています。
MJGとのたたかいは、経営状態や不当労働行為など多くの困難を抱えていますが、「何もできなかった時と違って、今は、憲法に保障される労働組合があるので必ず勝ちます」そして「何もできない社会ではなく、みんなでやれば実現する社会」とイキイキと語ります。
県医労連にはSNSを通じて毎日数人の組合加入が続いています。そのほとんどが30歳代の若者、「労基署の存在を知らなかった」、「組合ってすごいんだね」とツイッターに投稿しています。