11月23日、「争議権利討論集会」が開催され、111人が参加しました。
解雇の金銭解決制度
午前には、政府が導入を狙っている「解雇の金銭解決制度」について学習。講師の水口(みなぐち)弁護士は、「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」における議論の特徴と労働者が注意すべてき点について話しました。
水口弁護士は、「解雇の金銭解決は官邸と経済産業省の主導によるもの。企業の要請に従ってさらなる雇用流動化をめざそうとしている官邸・経産省にとっての『岩盤規制』とは、違法解雇に批判的な労働者国民の権利意識であり,この権利意識を壊すことこそが狙われている」と強調。
そのうえで、「労働者国民の権利意識を刺激しないように、現時点では、必ずしも財界主流の要求する案とはなっていないが、一度通ればその後改悪されていくことは必至。20年にはさらなる報告書が出され、21年には通常国会に法案として出される危険性があるため、今後ますます注視し、その実現を阻んでいく必要がある」と述べました。
学習会後には、5つの分科会に分かれ、「争議に勝利するために必要な運動は何か」などを議論し深めあいました。
NHKでの経験
午後は、元NHKアナウンサーの堀潤さんが講演。NHK勤務時代に、福島原発事故について、自身のツィッターで批判的に発信していたことに対し、上層部から「ツイッターを閉鎖しろ」と圧力がかかったこと、先輩や仲間からの激励もあり、抵抗し筋を通したことが語られました。
その後、アメリカでの原発取材も続けましたが、放送直前までいった取材映像が、圧力によってボツにされたことなどもあり、「自由に発信していくため」と、NHKを辞め、フリーランスのジャーナリストとして活動しています。
香港にも取材に
労働問題では、NHK記者の過労死問題にも触れ、遺族ともとりくみを行っていることを紹介。さらに、「社会が分断されている」ことに対する危機感から、様々な現場に足を運び、取材し発信していることを、香港で自ら撮影した映像を交えながら、時に率直な怒りを表明して、時にユーモアをまじえて会場を沸かせながら話しました。
堀さんは時間いっぱいギリギリまで会場からの質問にも答え、翌日に迫った香港区議会選挙の投票を取材するために、そのまま会場から成田空港に向かいました。