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2018年8月10日

鎌倉市職労の闘いで和解成立

労使交渉を無視した暴挙

 鎌倉市において、大幅な賃金引下げについて激変緩和措置を設けることで労使合意した「職員の給与に関する条例の一部改正案」は、2014年9月の市議会で激変緩和措置を全面削除する修正が行われ可決されました。

 さらに鎌倉市長は、特殊勤務手当についての交渉を一方的に打ち切り、これまでの労使経過を無視した大幅削減となる議案を15年2月議会に提案し可決されました。

次々と組合攻撃が

 鎌倉市職労は神奈川県労働委員会に不当労働行為救済申立を行いましたが、17年7月には特殊勤務手当事件について不当命令が出され、中央労働委員会へ再審査請求を行っていました。

 この間、組合事務所の追い出し事件や、組合費のチェックオフ廃止の議案提案などが次々と行われ組合攻撃が激しさを増してきました。

市民宣伝など展開

 市議会や市長からの攻撃が強まるなか、15年12月に神奈川労連や自治労連など労働組合や民主団体・個人が参加して「鎌倉市政を市民と働く仲間に取り戻す会」を結成し、市や市議会への要請、市民宣伝、労働委員会傍聴などをとりくみ、市民や全国の仲間に対し、事件の本質を知ってもらい、闘いへの支援をお願いしてきました。

 17年4月の鎌倉市議会議員選挙では議会構成が大きく変化し、今回の和解への基盤をつくる結果となりました。

4点の和解内容

 中央労働委員会へ再審査請求を行って以降、中労委から和解勧告が出されるなど和解協議が進み、7月19日の和解調印となりました。和解の内容は、以下の4点です。

  1. 市と組合双方は本件紛争が円満に解決したことを確認し、ともに鎌倉市民のために働く公務員として正常な労使関係を構築する。
  2. 市と組合は今後の団体交渉において誠意をもって十分に交渉をつくし、労使が合意した事項についてはその実現に向けて最大限努力する。
  3. 組合は本件再審査申立て及び神奈川県労働委員会申立てを取り下げる。
  4. 市と組合は本件和解条項に定めるほか、何らの債権債務が存在しないことを相互に確認する。

極めて当たり前の内容ではありますが、これをないがしろにした議会や市長による様々な組合攻撃を押し返してきたことは大きな成果と考えています。

団結を維持

 残念ながら、最大17・9%の賃下げや特殊勤務手当の大幅削減など、賃金水準についての復元することはできませんでしたが、労働委員会や「取り戻す会」の運動を通じて組合員の団結を維持することができました。

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 本争議の発端は鎌倉市議会による労使自治への介入にありました。市議会が議決権を乱用し、労使合意を否定して団結権、団体交渉権を侵害し、市長のさらなる不当労働行為を誘発した憲法・労働法を顧みない暴挙であったと言わざるを得ません。

 こうした暴挙が鎌倉市役所で再び起こらないように、また全国で発生しないように、働く者の権利擁護と住民自治、財政民主主義のための様々なとりくみを強化することが求められます。

スローガンを掲げて

 鎌倉市職労では、これまでの支援に感謝するとともに、労働組合を強く大きくするなかで「住民の繁栄なくして自治体労働者のしあわせはない」というスローガンを掲げて、さらに運動をすすめていくことにしています。

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