昨年の通常国会で、労働者派遣法、労働契約法、高年齢者雇用安定法の三労働法が「改正」されました。 また今年はパートタイム労働法が「改正」予定です。
いずれにしても、労働者の働き方、働かされ方に重要な影響を与える内容ですので、しっかり学習して活用することが必要です。
大手通信企業研究所で7年間派遣(専門26業務)として働いていた女性労働者から相談がありました。1年更新が続いていたのが今年3月で突然更新打ち切りになるとのこと。
派遣会社の説明によると通信企業本社からの一斉通告で複数の派遣会社の事務職、部長付き秘書らがほぼ全員切られるとのことです。
以前、日産でも同様に800人の専門26業務で働いてきた派遣労働者が首を切られ、日産の契約従業員(最長2年11ケ月、雇止め付き)として希望者を雇いましたが、今回の相談の裏には法改正を先取りした企業の戦略が見えてきます。
労働契約法の改正では今年4月以降から、反復更新され通算で5年を越えれば労働者の申し込みによって期間の定めのない労働契約に変更されます。しかし、賃金・労働条件については直前(有期)の労働契約と同じでよいとなっています。そのいっぽう、法第20条では、期間の定めがあることを理由に「不合理な労働条件の禁止」としました。これからは業務・職務に関係ない労働条件(通勤手当・食堂の利用や安全管理等)は、特段の理由がない限り無期の労働者と同じにしなければなりません。これらの法改正を先取りして大企業は雇止め法理適用を逃れるため派遣労働者の雇止めを行なってきたものと考えられます。
実効ある改正にするために、有期雇用で働く労働者の無期転換要求や、均等待遇の実現めざす私達の取り組みが重要となっています。