神奈川労連

憲法を職場と暮らしに活かそう!あなたも労働組合へ!
トピックス

2018年1月6日

「労働者が生み出した富を労働者と社会に還元しろ」神奈川労連がビクトリーマップを作成

 神奈川労連は毎年、かながわ産業労働調査センターとともに、「大企業の内部留保(利益のため込み)を活用すれば、大幅な賃上げは十分に可能」であることを示すビクトリーマップを作成しています。対象としたのは、県内に500人以上の労働者のいる企業で、財務諸表の入手可能な109社です。

328-10

上の表をクリックすると大きく表示します。

1年間に1兆6千億円増加

 17年3月決算では、内部留保は95兆7640億円で、1年間に1兆6390億円(1・79%)増やしています。従業員1人あたりでは12万円減らし、2026万円になっています。

 個別企業で1年間に1千億円以上増やしたところは、日本電信電話4625億円、パナソニック3325億円、JX・H2598億円、コンコルディア(旧横浜銀行)1797億円、日産自動車1696億円、日本生命保険1521億円、キヤノン1514億円、東日本旅客鉄道1505億円、三菱電機1182億円、損害保険J日本興亜1059億円、ブリジストン1016億円の11社です。全体で85社が内部留保を増やし、24社が減らしています。

1人あたり1億円超

1人あたりの内部留保額の番付は表の通りで、東西の横綱はいずれも従業員1人あたり1億円を大きく上回る莫大なため込みをしています。

 109社の労働者すべてに1万円賃上げ(ボーナスは夏冬で5か月とする)するためには、たった0・84%の内部留保を取り崩すだけで可能です。3万円でも2・5%にすぎません。仮にすべての県内労働者に1万円賃上げしたとすると、県内経済への波及効果・生産誘発額は総額5082億円となります。

 株主配当は、日本電信電話、日産自動車、キヤノン、日本郵政、武田薬品工業、ブリヂストンの6社が1千億円以上配当し、無配が4社。2生命保険会社を除き、103社合計で約22兆3千億円の株主配当を行っています。株主配当を全連結従業員に回せば、従業員1人あたり49万円の支給が可能です。

富の偏在が問題

18春闘は、政府・財界でさえ「賃上げが必要」と認めざるを得ない状況のもとでたたかわれます。労働者の賃金が上がらないのは、労働者が生み出した富が、一部の大企業に偏在しているためです。溜り過ぎた内部留保を労働者や社会に還元する必要があります。

 今こそ内部留保に課税させたり、一部を活用させ大企業の労働者ばかりでなく、下請・取引単価を引上げさせ、中小企業にも還元させる。また国や自治体に中小企業支援策を抜本的に強化させ、すべての労働者、特に低賃金労働者の大幅賃上げを獲得する春闘にすることが強く求められています。

新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP