『最賃裁判』の第1回控訴審が2016年9月14日に行われ、原告6人を含め約100人が参加しました。
審理では弁護士2人と原告の猪井さんが意見陳述(下記参照)。その後、裁判長が「本日で結審する。判決言い渡しは12月7日15時」と宣言し終了しました。
第1回期日の焦点は、訴訟指揮にありました。原告を負かす場合、「十分な審理もせず即日結審、次回判決」ということが多いからです。結論はそのとおりの展開でした。
しかし、法廷でのやり取りでは、被告国が陳述に対して「時間超過だ、裁判終結を」と横やりを入れたのに対し、「少しならいいでしょう。原告本人陳述を続けてください」と指揮しました。
差し戻す可能性の発言
さらに、「訴えの中身の議論ではなく、焦点は差し戻すか否かにあるでしょう」と発言。すなわち、「裁判所に持ち込むものではないと、門前払い」した横浜地裁判決を否定し、「原告の訴えは裁判所に持ち込めることを認め、中身に入った判決をすべき」という判断を下す可能性もある発言です。
裁判後の報告集会では、弁護団から「事前の裁判所とのやり取りや、本日の裁判長の発言でも原審の差し戻しについて、かなり認識を持っている。被告国はこれまでと全く同じ理屈しか出せなかった。いずれにせよ中身に入った判断ではなく、『門前払いを認めるか否か』に焦点を絞り込んでいる。一回の期日で終結したのも訴えの中身について審理をする必要性を認めず、処分性(門前払いか否か)について議論は出尽くした、と判断したからである」と説明がされました。
「一審判決の取消し」を求める要請署名など
東京高裁での可能性を切り開いてきたのは、この間の宣伝行動や、全国から寄せられた署名などの力です。神奈川労連では、「差し戻し」の判決を勝ちとるために、判決の12月まで東京高裁前での宣伝行動や、「一審判決の取消し」を求める署名などにとりくみます。判決日の行動を含め、とりくみへの積極的な参加を呼びかけます。