アスベストを含む建材などを使用した結果、健康被害や命を奪われた建設労働者と遺族が、国とアスベスト含有建材メーカーに謝罪と償いを求め、最終的にはアスベスト被害の救済制度の創設をめざして闘っているのが「建設アスベスト訴訟」です。
3月結審の方向
神奈川の第1陣訴訟は、横浜地裁で極めて不当な判決が出され、現在、東京高裁で審理が行われています。原告を先頭にした運動や、この間の全国各地の勝利判決もあり、高裁での審理は国やメーカーの責任を立証する方向で進められています。
7月に行われた期日では、原告側が求めていた原告本人の証人尋問を12月に行うことが決定。さらに、12月にもう1度証人尋問を行うことが、ほぼ確実になっています。証人尋問を認めさせたことは、地裁の不当判決を覆すうえで、たいへん重要なことです。
あわせて、3月に期日が入り、結審する可能性が高まっています。国の責任はもちろん、メーカー責任の断罪や一人親方の救済などに踏み込むかどうか、重要な判決となります。
10月からは、公正判決を求める署名がスタートします。
地裁も早いテンポの審理
神奈川の第2陣訴訟は横浜地裁で毎月の審理が行われ、証人尋問がどんどん進められています。裁判官からは早期の結審の意向が示されており、こちらも年度内での結審が濃厚になっています。
8月26日にも、丸一日を使ってアスベスト被害者がどのような作業をしていたのかについて、3人の方が証言しました。9月以降は、一人親方の実態などについて明らかにする証人尋問が行われる予定です。
無責任な鶴見のメーカー
京都の判決でメーカー責任が認められたこともあり、これまで頑なであったメーカーも話し合いに応じるなど変化してきています。
ところが、鶴見にある「A&Aマテリアル」は、ガードマンを社前に配置し、まったく話し合いを拒否しています。毎月の地裁審理日には、200人の仲間が鶴見の本社に集まり抗議行動を行っています。
勝利をめざし世論を広げるためシンポジウムを開催します。多くの仲間に関心を持ってもらい、支援していただくことを呼びかけます。
アスベストシンポジウム「アスベストの被害の実相を明らかにしあらたな被害者を防ぐために」
日時:10月8日(土)13:30開会
会場:かながわ労働プラザホール(JR石川町駅徒歩5分)
- 川崎市のアスベスト対策
- アスベストをめぐる最新の情勢
- アスベスト疾患について(医師)被災地熊本から
参加費 無料