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2016年7月4日

狙われる『働くルール』破壊、危ない特区

 安倍自公政権は、「労働法制改悪」「働き方改革」を推し進めています。私たちの運動で、通常国会での改悪案成立は阻止しましたが、政府と財界は執拗に「働くルール」の破壊を狙っています。

 労働法制の改悪やさらなる規制緩和は、労働者代表が参加していない「産業競争力会議」や「規制改革会議」で議論され、内閣主導で強行されています。

 行政の施策にも大きな影響を与えており、すでに厚生労働省は、「雇用の安定」から「雇用の流動化」に方針を転換しています。

6割が「不本意」

 「横浜市男女共同参画推進会議」は非正規雇用で働く独身女性を対象にした調査で、「正社員で働ける会社がなかった(不本意非正規)」が6割になる結果を発表しました。政府・総務省の調査結果、13・6%と大きな開きがあります。都市部の女性が不本意ながら低賃金・不安定雇用で働く実態です。

 しかし、厚労省はこうした労働者の願いに背を向けています。厚労省は6月3日、「雇用仲介事業等の在り方に関する検討会」報告を公表しました。「少子高齢化、育児等や高齢離職者も含め、すべての労働者が希望に応じて働かける社会」の実現に向けて、『民間人材ビジネスの後押しを強化する』という内容です。

 すでにハローワークは、民間人材ビジネスと「密接な連携関係」にあるなか、公的職業紹介は消滅し、「指導・監督」だけが公的役割となるのではないか、懸念されています。

神奈川が実験場

 さらに、「国家戦略特区」でも雇用破壊を進めています。神奈川県は、女性の活躍推進や、家事支援ニーズへの対応のためとして、今年3月から全国で初めて、外国人家事支援人材受入事業(国家戦略特区)の企業募集を開始し、今年度中の「サービス提供」をめざしています。

 日本では家庭責任を負う割合は、圧倒的に女性となっています。保育や介護の公的役割が不十分なことが、社会参加の障害や不安定雇用の拡大につながっています。その「失政」の穴埋めを特区で試行的に実施し、「成功」のお墨付きを得て、全国に拡大しようとしています。

「使い捨て」

 また事業を通じて、外国人の単純労働の解禁、外国人労働者を「人間」ではなく「資材」とする流れを拡大する狙いもあります。建設産業では、オリンピックに向けて外国人労働者の受け入れが始まっています。オリンピックが終われば「使い捨て」です。

310-1

 自民党は5月24日、「共生の時代に向けた外国人労働者受け入れの基本的考え方」を発表しました。労働法制改悪では、「非正規雇用ではなく多様な働き方」と換言し、低賃金・不安定雇用を拡大しましたが、今回も「(外国人労働者の)単純労働という用語が不適切だから別ない言い方で考えよう」という、またしてもゴマカシの議論です。

 私たちが呼びかけている、最低賃金の引き上げやまともな働き方は、若者に共感を呼び、「社畜」ではない人間らしい働き方を求めています。

 参議院選挙後の臨時国会では、「労働法制改悪法案」が再び議論されます。野党四党が共同制作とした「働き方改善」や「保育介護拡充」の実現に向け夏の陣をたたかいぬきましょう。

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