今年の最低賃金の本格的な議論が始まる時期を前に大幅な引き上げの実現にむけて神奈川労連では5月から7月にかけて
最賃審議会の委員が所属する団体などと要請・懇談を進めてきました。
要請・懇談した団体は公認会計士協会、横浜弁護士会、労働局長、労働局賃金課、神奈川県経営者協会、横浜建物管理協同組合、中小企業家同友会、中小企業団体中央会、県ビルメン協会です。それぞれ会長など責任ある立場の方が対応してくれました。
各団体からは、中小企業の実態が話され「1000円となるとかなりの影響がある」「最賃に近い額で雇っているところもあり、公契約の単価が上がらないなかで、板挟みになり苦しい」など最低賃金と経営の関係について率直な意見が出されました。一方で、「今の時間額は低すぎる。引き上げるのは当然」との意見も出されました。
横浜弁護士会には昨年、「会長談話」を8月に出してもらっていたことから「今年は中央の最賃審議会に影響するように、もっと早い段階で出してもらいたい」と率直に要請。2人の副会長が対応し、私たちの意見に耳を傾け具体的にいつまでに出せばタイミングとして良いのか」などの質問が出されました。
そして、私たちの要請を受け入れてもらい中賃の審議会が本格化する前の7月9日に常議員会の議決を経て「最低賃金の引上げを求める会長声明」が発表されました。ちなみに、昨年の「談話」に比べ「声明」の方が重みがあるとのことです。
内容も、たいへん画期的なものになっています。「声明」は、最低賃金法が改正され「生活保護に係る施策との整合性」を求めているにもかかわらず神奈川県の最低賃金は生活保護水準を下回り全国最悪の乖離額になっていることを指摘。
そして、「時間給789円でフルタイム働いたとしても、月額賃金は13万8864円、年収166万6368円にしかならない」とし
「最低賃金の引き上げは依然として緊急の課題である」としています。
そして最後に「改正最低賃金法が求めているのは、生活保護に係る施策との『整合性』であり、決して生活保護と『同一水準』にとどまるものではない。神奈川県の地域別最低賃金は、直ちに生活保護水準との『逆転』が解消されなければならないことはもちろん、生活保護水準を大幅に超えるよう引上げられるべきである」としています。
これまで、継続的に団体要請を繰り返してきたことによって最賃引き上げへの共感・認識が広がってきています。