今年は、広島と長崎の被ばく・終戦80年です。昨年12月10日には、日本被団協(原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞しました。「被ばく80年を核兵器のない世界、非核平和の日本への転換の年に」と世論が高揚しています。どこの街頭宣伝でも、ノーベル平和賞受賞を我がことにように喜び、署名やカンパが寄せられています。
被ばく者がスピーチ
県原水協は1月20日、「被ばく80年スタート集会」を開催。集会では、核兵器禁止条約に日本政府の参加を求める署名や宣伝、学校などへの訪問活動など多彩なとりくみの提起がありました。
被ばく者10人が参加し、県被災者の会・丸山会長が「日本政府は平和賞授賞を受け、核兵器廃絶の先頭に立ってほしい」とあいさつしました。
ノーベル平和賞授賞式に参加した福島冨子さん(80歳)がスピーチ。生後6か月の時に長崎で被ばく。被ばく者であることに悩み、事実を避けて生きてきたが、34歳で県被災者の会に入会し、被ばく者としての活動を始めました。受賞の報せを受けた時、会の先輩方が被ばく実相を語り継ぐことで「世界を変えられる」と懸命に活動する姿を思い出し、受賞を喜ぶ顔が次々と目に浮かんだと語りました。
福島さんは、「若い時分の当時、被ばく者に対する理解が今とは違っていた」と一言だけ話されましたが、偏見と差別にさらされどれほど大きな苦しみ受けたのでしょう。被ばく者の方々が声を上げ続けてきたからこそ、核禁条約の発効、平和賞授賞、そしてなによりも核兵器を「再び使わせない世界」を維持することができました。
被爆者の平均年齢は85歳を超え、「私たちに残された時間は少ない」と話されます。今年こそ、日本政府に条約への参加を実現させましょう。そのために、一人ひとりが核兵器のことを自分で考え、自ら行動することが求められます。3月1日は「ビキニデー集会」、5月7日から19日には「平和行進」、8月4日から9日には「原水禁世界大会」が行われます。多くの仲間の参加を呼びかけます。
4月20日に上映会
神奈川労連は、大会方針で「各組合が少なくとも1回は平和のとりくみを」と呼びかけ、「被ばく80年、祝ノーベル平和賞受賞、核禁条約批准」の独自署名を組合員1人6筆、今年一年間かけてとりくむことを提起しています。
4月20日には神奈川労連として、映画「silent fall out」の上映会を開催します。アメリカ政府の核実験による自国民の放射能被害を知った母親たちを中心にした映画です。監督と原爆被災者の報告も予定しています。