いのちと健康を守る神奈川センターや神奈川労連などの主催で、「働くものの労働安全衛生学校」が11月9日に開催され、会場とオンラインで約20人が参加しました。
職場・現場の実状
参加した産別組織から各職場や現場における安全衛生にかかわる状況や課題が報告されました。
建設労連は、日々刻々と変化する現場での安全確保の課題や、トイレや休憩施設が足りないなど働く環境の整備が後回しになることについて、労働組合として声を集めゼネコンなどに改善を求めていると報告。
ユーコープ労組からは、労働者の少ない職場でも労働安全衛生委員会を開催し、労組が同行する職場巡視に産業医も一緒に点検するようになったこと、一方で「年齢が高い従業員の労災が目立つのが課題」と述べました。
「時間外労働があるなかで空調時間の延長を実現」(県職労)、「地震の際の避難経路の確保について横浜市と交渉」(港湾労組)、「労働組合のない職場での労安委員会の形骸化」(医労連)、「人手不足で子どもたちの対応におわれる」(福祉保育労)などの報告がありました。
産業医の活用
各職場の報告を受けて、大阪労働健康安全センターの丹野事務局長が「労働者代表と労働安全衛生委員会の役割」と題して講演を行いました。
丹野さんは、労働安全衛生法やその施行令・規則の条文に基づき、安全委員会や衛星委員会の構成や委員の要件、とりくむべきことや権限などを詳しく解説しました。
そして職場の実態にも触れながら、「使用者主導の労安委員会になりがち。たとえ少数であっても労働組合の役割が重要」、「産業医を使いきれていない。産業医の意識も高めることが必要」など職場で活かすべき重要な指摘がされました。
活性化のポイント
質疑では、安全衛生委員会の委員の適格性や派遣労働者の権利の課題などが出されました。意見交換では、丹野さんから職場状況への質問も出され、長時間労働の課題や職場におけるハラスメントへの対応などについて話しあわれました。
まとめ的に丹野さんは、安全衛生活動の活性化のポイントとして、「目的意識と動機を明確にすること」、「すべての労働者を視野にとりくむことが労働組合への信頼も高める」、「優先順位を決めて粘り強くとりくむ」ことなどを指摘し、「待ちから攻めへ」とりくみを強めることを呼びかけました。