神奈川労連は、9月14日に横浜市内で第40回定期大会を開催し、代議員や来賓、役員など約150人が参加しました。
主催者あいさつで住谷議長は、大会方針の目的を3点提起し、情勢にも言及しながら、ともに闘っていくことを呼びかけました。
果たしてきた役割
山田事務局長が運動方針案を提案。情勢が大きく動くなかで、改めて神奈川労連と構成組織の果たしている重要な役割を確認し確信とするために3点を提起しました。
とりわけ賃上げの流れをつくるうえで、声をあげ要求し続けてきた私たちの運動が、世論や雰囲気をつくり成果に結びつけていることを強調。最低賃金では神奈川労連全体で闘った「最低賃金裁判」が契機となって、提訴の内容である「時間額1000円以上」が全都道府県で実現していく状況を切り拓いてきたことを明らかにしました。
労働者だけでなく県民的な要求をとりくんできた役割にも言及し、特に労働争議・裁判闘争での成果が様々な社会的課題の克服・前進に寄与していることを強調しました。
方針の基調は4つ
運動方針案の基調として4つを提起しました。1つ目として「組織の強化と拡大が最大の課題」と述べ、全労連が提起した「対話」と「学びあい」を重視することを提案。「自らの労働者や人間としての成長を実感できる組合の活動や運動、運営を実現し、組合員が『仲間を増やしたい』と思える労働組合になることに挑戦しよう」と訴えました。
基調の2点目として春闘を中心とした賃金闘争、3点目は「安全に安心して平等に働ける職場をつくる」として、職場の協約闘争などを強化しながら、ジェンダー平等の実現や労基法改悪阻止のとりくみを提起。4点目は、「人権が尊重される公共・政治の実現」をめざして、公共の再生や総選挙など政治闘争にとりくむことを呼びかけました。
討論では、24人が発言(2面参照)。採決で議案はすべて承認され、役員選挙で新たな役員を選出(2面参照)。特別決議や大会宣言も代議員の拍手で確認されました。
住谷議長の主催者あいさつ(要旨)
本大会の目的は3つです。1つは、神奈川労連に結集する産別や地域のたたかいの成果や教訓・課題を交流し、豊かな運動方針を確立することです。各組織が方針に基づき、夢とロマン、愛のある運動を具体化することを確認しあいます。目的とともに目標を明確にすることが重要です。本年度の組織拡大の目標は、実増1000人、1.2%を提起しています。
2つ目は、賃金闘争です。24春闘は賃金引き上げを握って離さず、物価高騰、生計費、失われた30年を取り戻す闘いを展開しました。賃上げを勝ちとった組合、闘いのなかで新たな組合の結成など、大きな成果を築きました。一方で、悔しい思いをした仲間も少なくありません。春闘の成果は、最低賃金を全国加重平均で1055円に引き上げ、人事院勧告で初任給の大幅引き上げという賃上げスパイラルの大きな流れを築きました。この連鎖を断ち切らない方針を確立することです。
3つは、組織を強く大きくするには対話が欠かせないことは、大会議案でも強調しています。対話を促進するうえで、人間・個人の尊厳が重要となります。人間はそれぞれ、多様な存在であり、誰一人同じ存在はありません。そのことを尊重するには、それぞれの違いを意識することです。人間同士が向き合い、違いを超えて認めあうことが必要です。労働者で言えば、正規と非正規、民間と公務、若者と高齢者、外国人、ジェンダーなど、お互いを認めあうことが求められています。憲法13条の精神です。しかし、為政者は個人の尊重に反して分断を仕掛け、それぞれを対立させようとしています。
労働組合は、思想、信条の違いを越えて、要求で団結しています。団結の力を大きくするには、対話が重要です。各組織で対話を重視した方針の確立を提起します。
神奈川労連に結集する仲間の力をあわせ、一緒に、賃金・労働条件の改善、仲間増やしに全力を尽くす決意を述べ、主催者のあいさつとします。ともに頑張りましょう。