6月29日に、神奈川労連女性センターは、「はたらきかたカフェ2024」を開催しました。
当事者からのお話し
LGBTQ当事者、トランスジェンダー女性としてYoutube発信などの活動をされている河上リサさん(いろどりスマイル代表)に「トランスジェンダーのリアル」をテーマにお話しいただきました。
女性として生きる元男性、日頃そうした方の体験や思いをお聞きできる機会は少ないので、当日をとても楽しみにしていました。一方で、大勢でマイノリティー当事者を囲んで、非常にプライベートなことを聞くということ自体が、とても失礼なことなのではないかとも思っていました。
冒頭でそのことをお伝えしたところ、リサさんは「この場で、私に聞いてもらうのであれば、どんな質問でもお答えします」と笑顔で返されました。
存在が認められない
当事者の出演による短編映画「鏡をのぞけば~押された背中~」を視聴し、その後リサさんの経歴や日常生活を伺いました。
マイノリティーの存在すら認められなかった約20年前に、性自認の違和はニューハーフ(いわゆる女装)という生き方でしか表現できなかったこと、しかしニューハーフ界は男性社会で名実ともに女性になるのは許されなかったこと、やっと「性同一性障害」という概念が社会に認められ戸籍変更が可能になり、現在は女性として生活していることなどの経験を話されました。
一様ではない
映画とお話のなかで、LGBTQやトランスジェンダーといっても一様ではなく、手術を受ける人・受けない人、その途中にある人など、さまざまなタイプ、自意識の違い、移行の経過があり、いずれも尊重されるべき存在であることが伝わりました。
リサさんの写真が大きく載った地域広報誌を手に、まったく本人に気づかずに話しかけてくる職場男性のエピソードは印象的でした。
実はトランスジェンダーは身近にたくさんいて、すでに共存しているのかもしれない。誰もが自分らしく生きようとする存在として尊重しあえるように、関心を持ち考え続けたいと感じました。