あるスーパーマーケットで働くパート従業員の方から「カスタマーハラスメントがあって嫌な思いをしている。どうしたら良いか」という相談がありました。
辞めることも考えているとのこと。特定の人のようで、誰かれかまわず大声で怒鳴る、長時間居座る、「謝り方が気に入らない」とまた怒鳴る。その人が店に来るとだれも対応したがらないという状況とのことでした。
顧客が怒る原因は何かあるのかもしれませんが、正当なクレームとは思えません。相談者には、早めに上司に相談すること、一人で対応しないようにアドバイスしました。会社が何もしてくれないようなら神奈川労働局に連絡することも伝えました。
相談者の職場は現場任せになっているようでしたが結構そういう職場は多いのでは、と思いました。事業主には、職場におけるパワハラを防止するため、雇用管理上必要な措置を講じることが義務になっています(労働施策総合推進法30条の2第1項)。
これに基づき、厚生労働省は、事業主が講ずべきパワハラ防止措置の指針を公表しています。そのなかにカスハラに対する箇所があり、カスハラを「顧客からの著しい迷惑行為」と定義し、カスハラによって労働者の就業環境が害されることのないように、クレームとの判断基準や判断事例、望ましいとりくみなど記載したパンフレットが出されています。
ハラスメントによるメンタル不全は増えています。パワハラやマタハラだけでなく、従業員が安心して働き続けるために、カスハラに対する対応も事業主として安全配慮義務の視点から、具体的な対応策をつくり従業員に周知することが必要です。辞めない(病めない)職場をつくりたいですね。
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