焼肉チェーン店で働く女性アルバイトから、「シフトを減らされた分の休業補償を求めたい」という相談がありました。月に10日以上働きたいのに月の前半は3日、後半は1日しかシフト割り当てられていないというのです。
原因は、店長が私情を挟んだセクハラ…。「コクられちゃって、ことわったの」というので、「本社とか本部とかに相談した?」と聞くと「スーパーバイザー(巡回する指導社員)に言ったらセクハラは止まったけど、シフトをはずされちゃって」。セクハラを訴える前は、要望以上のシフトを入れられていたそうです。
「最初のシフト数の約束とか、紙に書いたものはあるの?」と労働条件を明示した書面の有無をたしかめると、「あったかなぁ」と不安げ。しばらくして、更新した労働契約書が手元にあるとのこと。「よし、えらい」。
「わたしってエライ? 状差しに突っ込んでいただけだけど」。それをもって行政機関に相談するようにすすめました。
労働相談をうけていると、労働条件の明示をされないまま職についている例があります。また、書面で交わした契約書を「読んでいない」「保存していない」人もいます。会社と交渉し、行政に相談するにも、提示された条件と違うことを明らかにしなくては始まりません。
新年度にあたり、契約書、就業規則、労働協約を引っ張り出して読むことをお勧めします。ご家族やお友達にも勧めてみてはどうでしょう。雇用者に法律と約束を守らせる姿勢が、すべての労働者を守ることにつながります。