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労働相談コラム

2023年11月1日

シフト労働は対等ではない

 シフトでバイトする高校生・大学生などからも相談が寄せられています。

 Q1 「これまでと変わらない」と言っていたのに、シフト時間を一方的に減らされたり時給を切り下げられました。「断ったら首になるかも」と思って言えませんでした。

 A1 これまでの契約で働いてきた労働日が会社の都合で一方的に減らされた場合、法的には休業にあたるので60%以上の休業手当を請求できます。(シルバーハート事件東京地裁判決20年11月25日参照)

 時給の一方的な引き下げは労働契約法8条に基づき無効です。勇気をもって相談を。

 Q2 雇用通知書に「週0~3日」とか「週20時間未満」などとあります。これでは、シフト「ゼロ日」、「ゼロ時間」が可能になるのでは?

 A2 コロナ禍で飲食業を中心に、シフトをまったく入れない対応をして、労働者を休業させ、休業手当を払わない企業が後を絶ちませんでした。そのため、厚生労働省の「シフト制労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項」は、労働条件通知書などに単に「シフトによる」と記載するだけでは不足であり、労働日ごとの始業・就業時刻を明記するか、原則的な始業・終業時刻を記載したうえで、労働契約の締結と同時に定める一定期間分のシフト表などをあわせて労働者に交付する必要がある、としています。

 「留意事項」は法的拘束力がないために、「シフト労働」に伴う使用者側の一方的な不利益変更やシフト制の濫用を防止して対等な労使関係を確立するための法整備が急がれます。

 EUでは、シフト労働等の労働条件に関する「指令」(19年6月)が出されています。

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