横浜港の中心にある米軍基地ノースドックに、米軍揚陸艇部隊(艇数13隻、兵員80人)を新編・配備することを、今年1月に防衛省が発表しました。4月には幹部要員5人が配置され、来年にかけて部隊全体が配備される予定です。
兵站拠点は狙われる
揚陸艇部隊の任務は、南西諸島を含む所要の場所に迅速に部隊・物資を輸送することで、「台湾有事」になれば、沖縄の米軍部隊や自衛隊と一体に戦闘を行うことが想定されています。部隊は名前のとおり陸に揚がること、すなわち港湾がない海岸や港湾が破壊された戦闘地域に上陸する任務を行うものであり、専守防衛とは無縁です。
今回の揚陸艇部隊の配備は、岸田内閣が強行した「安保3文書」の改訂に沿った具体化の一つです。戦後の防衛戦略の大転換として専守防衛を投げ捨て、敵基地攻撃能力(他国への先制攻撃能力)の保有と、5年間で43兆円もの大軍拡を行うことを決め、具体化を始めています。米国に言われるがまま、中国を『敵国』と定め、戦争準備を始めたことに他なりません。
揚陸艇部隊配備は実際の戦争を想定し行われている、たいへん危険な動きです。部隊配備によって、世界有数の商業港で横浜の玄関である横浜港が、戦場と直結する兵站の出撃拠点となります。
ウクライナでの戦争でもわかるように、兵站拠点は狙われます。新部隊の配備は、横浜港が攻撃の標的となり、市民の命と生活を危険にさらすことになります。
『連絡会』を結成
米国と一体となって政府が強行する部隊配備に対して、横浜市や神奈川県という自治体の対応が極めて重要になります。基地県である神奈川において、戦争準備の具体化を許さないとりくみは、一つの基地・地域にとどまらない重要性があります。
6月には、県内の学者や弁護士などの有志が呼びかけ、「横浜ノースドックへの揚陸艇部隊の配備反対県民署名」をとりくむこととなりました。
また、県民署名の推進や配備反対の運動をとりくむために、「配備反対連絡会」が7月14日に結成され、神奈川労連も参加し運動に結集します。
「県民署名」の集約日が9月末であることから、当面は署名を中心に運動を進めます。とりくみへの協力・参加をお願いします。