神奈川労連 第31回定期大会「仲間を増やそう。生活改善できる賃金を勝ちとろう」

神奈川労連第31回定期大会が9月12日に開催され、代議員や来賓など約150人が参加しました。28人の代議員の討論によって議案は補強され、運動方針案や予算案など5つの議案すべてが承認されました。住谷事務局長から、昨年度の総括と、今年度の運動方針が提案されました。

旺盛に闘った1年間

1年間の総括として、組織拡大では、労働組合基礎調査で2千人超の大幅な減少になり、危機的な状況であることを全体の共通認識とすることを呼びかけたうえで、8千人超の新たな仲間を迎えた秋・春の拡大月間などの特徴、そして大会までに新たな組織が結成されるなど奮闘してきたことを報告しました。

賃金闘争では、中小企業職場が多いながらも、統一行動を重視するなかで、他団体の集計を上回る賃上げを勝ちとってきたことは特筆すべき成果として強調されました。

公務分野では、鎌倉市における議会の暴走による賃金の大幅な引き下げについて詳しく報告。「単に鎌倉の問題ではなく、公務労働者全体、すべての労働者への攻撃である」ことを明らかにし、全体でとりくむ課題であると強調しました。

また、戦争法案阻止の闘いでは、憲法共同センターの中心を担って弁護士会などとの共同を広げ、世論形成に大きな役割を発揮してきたことが述べられました。
さらに、大詰めを迎えている最低賃金裁判をはじめ、25条共闘のとりくみ、県での公契約条例制定にむけた運動、ブラック企業との闘いなど、要求実現にむけた貴重な地歩を築いてきたことが強調されました。

組織拡大、賃上げ、憲法を活かすとりくみに全力

住谷事務局長は、大会のスローガンとして「仲間を増やす、生活改善できる賃上げ、憲法を職場とくらしに活かすことを掲げた」と述べ、これを実現する運動方針を提案しました。

組織拡大では、必ず実増を実現することを目標とし、「組織拡大3か年計画」の補強を提案。教訓で明らかになった人材育成・学習教育の具体化や、重点分野でのとりくみ、単産や地域組織を強化する方向などについて提案。

賃金闘争では、最賃裁判での勝利を勝ちとるための運動と、25条共闘による「年金裁判」「生存権裁判」との共同で、ナショナルミニマム確立をめざすことを提起。また、16国民春闘では、職場要求アンケートを重視し、要求の集約・討議によって「みんなでたたかう」とりくみを強調。ベア獲得に執着し、職場闘争の強化とともに、地域との共闘で国民春闘を構築していくことが提起されました。

安倍政権打倒

大会当日は、戦争法案の重大な局面であったことから、廃案にむけたとりくみが強調されました。大会後の具体化において、戦争法廃止をめざすことが確認されています。そして、安倍政権を打倒するとりくみを本格的に進めることが提案され、その具体化の一つとして、来年夏の参議院選挙をとりくむ方針も示されました。

「四半世紀の成果ふまえ運動をさらに強く大きく」福田議長あいさつ（要旨）

戦後70年。いま日本は重大な岐路に立っています。国民の多数が反対する戦争法案を、安倍自公政権は来週にも参議院で強行採決しようとしています。このまままでは、文民統制はもちろん、国家の暴走に歯止めがかからない恐怖さえ、国民が肌で感じているのではないでしょうか。

神奈川では明日、「横須賀大集会」が開かれます。10月2日にも入港する原子力空母ロナルドレーガンは、沖縄の辺野古新基地とともに戦争法を具体的に実行する拠点となるものであり、絶対に受け入れることはできません。沖縄と連帯して明日の集会を成功させ、来週の戦争法廃案・安倍政権打倒の最大の山場に望んでいこうではありませんか。

この20年間、働くものの賃金は減り続け、非正規不安定雇用が増大する一方、大企業の役員報酬と内部留保だけが天井知らずに伸びています。神奈川労連はこの一年間、春闘での賃上げを地域ぐるみで行うとともに、公契約条例制定、最低賃金の引上げに全力を挙げてきました。一斉地方選挙で、岡本はじめ県知事候補が善戦し、神奈川県の公契約条例制定の可能性を開きつつあります。

また、最低賃金裁判は、この11月9日に結審を迎え、いよいよ来春に判決となります。年金引き下げ違憲訴訟と、今月に提訴される「神奈川生存権裁判」とともに、ナショナルミニマムを守り引き上げる、新たな闘いに連携してとりくんでいこうではありませんか。

神奈川労連は25周年を迎えました。この四半世紀で築いたものを踏まえ、労働運動をさらに強く大きくしながら、今、新たに生まれている巨大な諸運動と連携し、どのようなとりくみを行っていくのか。本大会で提案する議案に積極的、かつ活発な討議をいただき、明日からの闘いの確信を大いに深める一日としましょう。