労働相談センターで昨年6月から今年5月までに受付けた相談956件のうち、性別と雇用形態別が明らかな871件に占めるハラスメント相談318件の内訳と構成比は表のようになっていました。
この表に基づいて、性別によるハラスメント相談の特徴について、統計学的に検討した結果、有意差(P=5%未満、以下同じ)はありませんでした。つまり性別によるハラスメントの多寡はない、という結果となりました。
一方、雇用形態別については有意差が認められましたが、これは必ずしも実態を反映していないものと思われます。というのも非正規の方からは正社員にはありえないような、「有休はないと言われた」とか「シフトを減らされた」といった相談も多く、また、ハラスメントを受けた方が早々に転職していることも想定され、結果としてハラスメント相談の割合を押し下げている可能性があるからです。
そこで、正社員に的を絞って検討することにして、年代別の判っている179件を性別と年代別にクロスして統計学的に調べると、男性よりも女性からのハラスメント相談が多く、年代別にも広く分布していることが判りました(このことは非正規の女性についても同様の傾向があることを示唆しているのかもしれません)。
この検討結果はあくまで相談員を介在させた2次資料に基づくものであり、職場の実態を正確に反映したものとは言えませんが、ある程度の傾向は見て取れそうだと思われます