「第31回パート・派遣など非正規ではたらくなかまの全国交流集会㏌神奈川」が、6月3~4日に開催されました。前日からの大雨で新幹線も止まるなか、急きょオンライン参加に変更した方もいましたが、2日間で700人以上が参加しました。
10回の実行委員会
神奈川労連は開催県として集会と運動を成功させるために、幹事会でも議論し体制も確立しながらとりくみを進めました。22年8月の準備会を含めて10回にわたる実行委員会を行い、非正規労働者が「得るもの」が実感できる「参加型集会」を目的に、各労働組合においては、非正規労働者との対話を進め、組織強化・組織拡大をめざすことを確認しました。
プレ企画では、公務も民間も非正規のなかまが集まっておおいにしゃべって交流し、女性センターとの合同企画として「はたらく女性の神奈川県集会」を開催しました。
現場ではたらく仲間が実態を報告
県民ホールでの1日目の全体集会は、東京医労連の「全国一律!最賃音頭」でにぎやかに開幕。神奈川労連・住谷議長が現地実行委員長としてあいさつし、基調報告が行われた後、「多様な働き方」の実態を知り、みんなで考える企画としてシンポジウムが行われました。
ジャーナリストの松元ちえさんがコーディネーターを務め、販売店で働く非正規労働者、学校公務で働く非正規公務員、外国人の相談に対応する福祉職場の非正規労働者、出版業界のフリーランス、飲食店で働く非正規高齢者という、現場で実際に働く仲間5人がパネラーとなり、自らなどの労働実態を語り、働くうえでの課題を浮き彫りにしました。
そして労働組合との出会いや、労組に入って交渉などを通じて実現した権利や勝ちとった成果、労働組合に対する思い、仲間を増やすとりくみとその苦労など実感を込めて発言しました。会場の参加者からも質問や意見が出され、パネリストも応答するなかで議論が深められました。
「労働組合という社会保障」
松元さんは、あらゆる職場において、声を出しやすい、話を聞いてもらえる、正規と非正規の共同を強めることの必要性を強調し、「このシンポジウムで感じたことをひとつでも職場に持って帰り、役立ててほしい」と述べました。
シンポジウムの一部として、不当な差別や解雇問題などを今まさに闘う4つの争議団が登壇して支援を訴えました。
シンポの感想では、「考えさせられた」、「様々な職種の話しを聞けて良かった」などや、松元さんが提起した「プチ勝利の積み重ねが大事」、「労働組合という社会保障」という言葉に多くの共感が寄せられました。また、「組合に加入させて頂いている心強さを、再認識したシンポでした」などの非正規の仲間からの感想も寄せられています。
軍艦に圧倒され、平和を願う
2日目は、動く分科会を含めた14の分科会で、様々な要求・課題について交流や学習しました。
横須賀軍港めぐり参加者からの「イージス艦や潜水艦、施設の大きさに圧倒されました。戦争をしないように平和を願いました」という感想や、分科会参加者の「色々な地域の色々な職種の方々と情報交換、意見交換できたことに、感謝です」など多くの感想が寄せられ、好評でした。
今回の全国集会が、非正規のなかまと話しができるきっかけや、当事者が主体となる運動へと発展していくことが望まれます。
来年、第32回の全国集会は佐賀県での開催が決まっています。
寄せられたシンポジウムの感想の一部を紹介します
- 集会チラシを手渡しながらの対話で2人組合加入してもらえました。シンポジウムは、今後も仲間増やしに頑張るエネルギーをいただきました。(国公労連)
- 個々の職場、立場が違っていても、不安定な現状に対して改善のために声をあげ、発信して、要求、交渉し、行動をし続けていくことで、一歩進めるということを確認できました。(大学生協労組)
- 様々な仕事、様々な働き方が存在していることが改めてよく理解できました。そして、それぞれに問題があることもわかりました。松元ちえさんは、労働組合は社会保障の一つの権利だとおっしゃいました。非正規であろうとも取り残されてはいけません。社会保障の権利を、もっと強く、団結して訴えなければなりませんね。色々なことが知れて、とても勉強になりました。ありがとうございました。(生協労連)
- 「プチ成功体験」を積み重ねる活動について、仲間が実体験として成果を共有することが次につながる原動力となると感じました。労働者に正規も非正規もないと共感します。(医労連)
(上の写真)全体会シンポジウムのコーディネーターとパネラー、司会者のみなさん