神奈川労連を代表して原水爆禁止世界大会の国際会議・広島大会・長崎大会に9日間通しで参加した神奈川労連事務局次長からのレポートです。
神奈川から368人が参加
戦後70年・被爆70年の原水爆禁止世界大会は20か国142人の海外代表と全国からの1万人を超える参加者の「核兵器廃絶!戦争法案は絶対廃案!」との熱気あふれる大会となりました。 神奈川県からは国際会議8人、広島大会185人、長崎大会175人、全体で368人が参加しました。被爆者の平均年齢が80歳を超えた今年、核兵器廃絶は待ったなしです。
5月に行われたニューヨークでの核不拡散条約(NPT)再検討会議では、最終文章を採択できなかったものの「世論と運動の発展を反映して、重要な到達を築く」ものとなりました。最終文書の草案には初めて核兵器禁止条約が明記されたことに加え、国連の事務総長が「彼ら(被爆者)は、核兵器の恐るべき人道的影響と、核兵器廃絶の緊急の必要性を思い起こさせる生きた証拠としていまこちらにきている」「彼らの警告に耳を傾け、結果を出すように求める」とのべたことは、被爆者の声と世論が国際政治を動かしていることを示しています。
こうした世論の高まりをさらに発展させ、被爆70年を「核兵器のない世界」への転機とするために、討論を通じて具体的な方針を打ち出すことが強く求められていたのが2015世界大会でした。
平和宣言と首相あいさつ
8月6日の広島市長の「平和宣言」には、①「核抑止力論」に対する批判が明確に述べられ、②2020年という期限を区切り、核兵器禁止条約の国際交渉の開始を世界に強く求めるという非常に重要なメッセージが込められました。
一方で、この点について一切触れないばかりか、「非核三原則」にも言及しなかった安倍首相のあいさつは被爆者を深く傷つけ、国内外から大きな批判が巻き起こりました。
安倍首相があいさつした前日8月5日、国会質疑の中で中谷防衛相が核兵器の運搬も「排除しない」と答弁し、戦争法案の内容が「核兵器も運べる」ことを認めました。「非核三原則」について言及しなかった安倍首相のあいさつは、「非核三原則」を亡きモノにしようとする明確な意志の表れであったと思います。
大会に参加し、被爆者の証言を聞き、運動の広がりを肌で感じる中で、「絶対に戦争はしてはいけない」との決意を新たにしています。一人ひとりが声をあげ、立ち上がれば日本も世界も変えられる。世界大会のこの確信はここにあるのではないかと感じています。