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2023年6月9日

建設アスベスト訴訟・神奈川1陣 メーカー(ノザワ)と画期的な勝利和解

 建設現場で働いていた労働者などが、危険性を知らされず建材などに含有していたアスベストに暴露し、命や健康を奪われたことについて闘っている「建設アスベスト訴訟」。21年に最高裁判決が出され、国や建材メーカーの責任が明確に認められ、損害賠償の支払いが命じられました。

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 国は首相が原告らに直接謝罪し、被災者を救済するための給付金制度を創設するなどして、基本的に解決がはかられています。

裁判長から和解勧告

 一方、労働者などの命や健康を犠牲にして儲けをあげてきた建材メーカーは、最高裁判決が出された以降も、まともに謝罪せず、原告らとの面会・交渉も拒否し、救済制度への参加を拒んでいます。

 こうしたなか、最高裁判決で高裁に差し戻された神奈川第1陣では、結審にあたって裁判長から「和解による解決が望ましい」と被告6社に勧告が出されました。しかし、責任を果たそうとしない多くのメーカーは和解を拒否しました。

 そのなかで、被告企業の一つであるノザワが協議の意向を示し、話しあいが進められ、5月19日に左官の原告4人との画期的な勝利和解が実現しました。内容は、最高裁判決で示された「建材メーカーが一定の要件のもとで被害者に対して損害賠償義務を負う」との判断を厳粛に受けとめ、最高裁判決を踏まえて原告らに深くお詫びし、解決金を支払うというものです。

 長きにわたって闘い続けてきた1陣原告団長の平田さんなど原告・弁護団が調印に臨み、裁判所前では支援者から拍手が送られました。

全国初の集団的和解

 建設アスベスト訴訟で、集団的な和解が成立したのは全国で初めて。遅きに失したとはいえ、ノザワの決断は評価できるものであり、建材メーカーとの全面解決にむけた契機となり得る重要な成果です。

 一方で、ノザワとともに責任が問われているニチアス、エーアンドエーマテリアル(鶴見に本社)、MMK、大建工業、太平洋セメントは和解を拒否し、5月31日が判決です。不当な対応に対し、運動と世論でさらに包囲し全面解決をめざします。

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