組合で要求前進
明治乳業の宅配専用商品を運ぶ会社・メイショクアソシエイツで働いていた南須原さんが、残業代未払いや長時間労働が横行している職場を改善したいと、神奈川労連労働相談センターに電話をしたのは4年ほど前です。
建交労を紹介され組合員となって、団体交渉や労働審判制度などを活用して、残業代を支払わせるなどの成果を実現してきました。
南須原さんは、職場のなかで組合員を増やしていこうと、業務上知りえた職場の労働者に労働組合のとりくみ報告会の案内を送りました。
労働組合を毛嫌いし、物言う南須原さんを職場から追い出したいと考えていた社長は、この案内を送付したことなどについて、「個人の情報を外部(組合)に漏らした」と難癖をつけ、懲戒解雇にしました。
理不尽な解雇を許さず、職場復帰を求めて提訴し、3月24日に横浜地裁で判決が出されました。
難癖を退ける
判決では、会社の難癖をすべて退けました。「顧客や取引先の情報は重要」との会社側の主張について、「厳重な管理を徹底して」いなかったとし、さらに「個人情報の取扱いに関する研修、指導を実施していない」として、「適切な取り扱いを確保するための体制が確立されていない組織的な問題」としました。
また、報告会の案内を送付したことについては、不正な目的で行われたことではないと認めています。そして、就業規則では「機密情報を漏洩する行為について、出勤停止又はこれより軽い処分」が予定されていると認定し、「原告を解雇しなければ企業秩序を保てないほどの非違行為に当た」らないとして、懲戒解雇処分は「社会通念上相当であると認められない」としました。
職場復帰まで
結論として、南須原さんの労働契約上の地位を認めるとともに、不当解雇以降の賃金を支払うことを命じる、全面勝利の判決となっています。
南須原さんは、「判決は嬉しいが、まだ争議が解決していません。職場に復帰できるよう、最後まで頑張りたい」と語っています。
皆さんの、さらなるご支援をお願いします。