神奈川労連

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2015年8月5日

9回目の全自治体訪問を実施「『官製ワーキングプア』をなくせ」

9回目となる全自治体訪問・懇談行動を、6月末からの1週間を中心に実施しました。今回の訪問でも、労働者施策の充実や、公務で働く労働者の労働条件改善、地域経済振興施策の充実などを中心に懇談要請を行いました。

この間、急激に減らしてきた正規労働者については、「もうこれ以上減らせない。業務量が増えるなか増員も考えている」と回答する自治体もあり、全体としても昨年より増加しています。一方で、財政の厳しさなどを理由に減らし続ける自治体もあります。

非正規労働者が増加

非正規労働者は、県内全体で昨年比1500人以上増加しています。本来、常にある業務は正規労働者が行うことが、地方自治法に定められていますが、実際には10年以上契約更新をして働く非正規労働者がおり、業務で欠かせない存在になっています。

そして、こうした非正規労働者が、相変わらず劣悪な労働条件におかれていることが大きな問題です。表にあるとおり、非正規の最低の時間額が、900円以下の自治体が15もあります。自治体担当者からは「補助的業務だから」、「主たる生計者ではないから」などの言い訳がされました。しかし、アンケートでは「扶養控除該当者」すなわち主たる生計を担っていると思われる労働者が一定数いることが明らかになっています。また、多くの非正規労働者が基幹的役割を担っていることは、懇談でも明らかであり、不当な差別的待遇と言えます。

同時に、神奈川労連などの運動により、最低賃金の引き上げが公務で働く非正規労働者の賃払上げに直接結びついています。また、「みなさんからの要請もあり、秋の最賃改定で下回らない水準に賃金を改善している」との回答もありました。

さらに、忌引き休暇や、育児介護休暇、昇給、一時金などの労働条件については、徐々にではありますが改善を実現してきています。

現場労働者の賃金調査

公共工事や委託業務で働く労働者の賃金を改善するために、公契約条例の制定などを求めました。公契約は「検討中」との回答がほとんどでしたが、最低制限価格の導入や対象の拡大は、かなり前進しています。また、現場で働く労働者の賃金調査を強く求めたところ、「建設労連からの要請もあり、現場で聞きとりを始めた」など、前向きな自治体がいくつかでてきています。人手不足で契約が不調になることも話題になりました。

業者に無料で行わせる「参考見積」について、今回初めて懇談し、予算編成などにおいて幅広くとられていることが明らかになりました。今後の課題になります。地域独自の問題として、箱根山の関係で、観光や雇用への悪影響がすでに出ていること、県西部地域では人口減少が最大の課題であることなどが切実に話されました。

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