23年4月9日に県知事選挙が行われます。地域や現場から県政の課題を体感する「県政ウォッチ」第1弾が12月8日にとりくまれ、20人超が参加しました。
主催したのは、神奈川労連も参加する「平和で明るい神奈川県政をつくる会」です。
農業とエネルギー
第1弾の主なテーマは、再生エネルギーを活用した地域経済でした。
最初に、耕作放棄地を再生させ、エネルギー(電気)と農業を同時にとりくむソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を実際に行っている現場を視察しました。
運営している小山田さんから現地で、県内で唯一の米作とシェアリングしている設備、県や小田原市からの融資を受け1500万円ほどの経費で売電によって10年程で回収する計画、などの説明を受けました。
「耕作地の上にソーラーパネルがあっても、作物が生育するのに必要な光量は確保していて収穫量に影響はない」、「耕作放棄地がよみがえることで、耕作体験などで人を呼び込むことにもつながっている」ことなどを強調し、行政などのバックアップでもっと広がっていく必要性が熱く語られました。
参加者からは、近隣との関係や景観、運営などにかかわって、質問が次々に出され、小山田さんから丁寧な応答がされました。
木質バイオマス
次に、松田町の木質バイオマスを使用して、お湯を沸かしている温浴施設を視察。施設はもともと化石燃料だけを使用していました。松田町の職員が案内してくれました。
地域の方々が木質バイオマス資源の活用を強く望んでいることが発端となり、町が薪を製造する特定非営利法人も支援するなかで、22年度から事業がスタート。再エネを活用した循環が始まっています。
火力などの関係から、薪の活用量が50%ほどであり比重を高めていくことや、薪の利用先の拡大などが課題であるとの説明がありまいた。
国の補助金で費用はまかなわれ、実際の木質バイオマスボイラーは、それほど大きなものでないことから、様々な施設などに活用可能であることが感じられました。
寝ているみかん畑から
県知事が「未病」施策の拠点としているビオトピアの閑散とした状況や、新たな道路開発の現場などを見た後、最後に、小山田さんが管理を委託されているみかん畑へ。
寝ていた(放棄されていた)みかん畑を起こしたという意味を込めて「おひるねみかん」という商品を開発していることなどの説明があり、参加者は楽しいミカン狩りや小山田さんへの質問などで、農業の重要性を実感しました。