10月6日、最高裁判所は「(有)ローカスト」(映像制作関連会社)の上告を棄却し、Aさんの勝利が確定しました。
5年間、とても大変なAさんを、神奈川労連女性センターなど多くの方が支援した成果だと思います。
Aさんは、会社の男性役員から、数年間、性暴力を受け続けたうえ解雇されました。精神的にも追い詰められ、日常生活もままならず、労働相談センターにメールしてきました。
17年10月、Aさんは解雇無効と未払賃金の支払い、会社と会社役員に対し慰謝料を請求する裁判を起こしました。ところが21年6月の横浜地裁川崎支部の判決は、「Aさんと会社役員は交際していた」として「性行為についても同意があった」、「解雇についても交際中の男女のケンカ」と認定し、会社役員と会社を免罪したのです。
Aさんは控訴し、今年2月に画期的な東京高裁判決が出されました。Aさんが立場上抵抗できない心理状態にあったことを認め、性暴力を受け続けてきたこと、不当解雇と認定し使用者責任を認め、未払賃金と慰謝料の支払いなどを命じました。
私も同様な相談を受けました。Bさんは、会社の上司に性被害を受けていて、誰にも言えずリストカットなど自傷行為をしてしまいます。「Bさんへの上司の怒り方が異常だ」と同僚が社長にパワハラと報告。社長との面談で、Bさんはセクハラを訴えました。
ところが社長は、Bさんを出勤停止にして上司はそのまま。Bさんは組合に加入し一緒に団体交渉をして上司は降格され、会社に慰謝料を払わせました。泣き寝入りせず訴えましょう。