『被爆者とともに、核兵器のない平和で公正な世界を-人類と地球の未来のために』原水爆禁止2022年世界大会のスローガンです。3年ぶりに全国の仲間が広島・長崎に参集し、オンラインを併用しての開催となりました。
広島会場には1300人が集い、神奈川からは126人が参加。県内のオンライン拠点は約230か所で、参加が広がりました。
被爆者の訴え
大会には国内外から多彩なゲストスピーカーが発言しました。
被爆者の代表は、「原子爆弾の投下によって、一瞬に2つの都市が壊滅、多くの命が無残に奪われた。奇跡的に生き延びた被爆者はあの日の地獄の苦しみを、その後の生活苦や偏見と差別を胸におさめて生きてきた」と被爆体験にも触れながら語りました。
また、「軍国主義のもとで人生が途絶えた方々、国内各地の大空襲、沖縄地上戦、広島、長崎で命を落とした方々、終戦をもっと早く決断していれば惨状は拡大しなかった」、「唯一の戦争被爆国の日本政府が核兵器廃絶の先頭に立たず、核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバーとしても参加しない。残念でならない」と述べ、ウクライナでは核の威嚇のもとで命が次々と奪われている実態に触れながら、「どんな理由があろうとも原爆地獄の再現を許すことはできない」と強く訴えました。
ロシアで起きたこと
国外代表は、各国で起きている軍備増強や、軍事衝突と核の脅威を語りました。また共通して、戦争推進の政治と、核と軍拡が気候危機に影響していることが訴えられました。
ロシア平和団体の代表は、ウクライナ侵略は「正気の沙汰ではない」とし、原発の軍事占拠について「77年前の広島・長崎の悲劇が欧州で繰り返させられようとしている」と危機感を述べました。
ウクライナ侵攻から数週間で120万人以上のロシア市民が戦争反対の請願に署名、多くの大都市で抗議デモが数多く起き、大学生や教職員も声を上げました。
しかし、あっという間に状況は激変。すべての独立メディアは閉鎖、SNSはブロック、国営テレビ局は戦争プロパガンダ、公共の場で戦争批判を禁じる新法成立、裁判所は政治偏向、他国と協力するNGO組織の代表は「外国代理人」と指定され市民権をはく奪、20歳から60歳の男性には月額30万円(教員の給与の3倍相当)で参戦勧誘などなど、軍事統制の政治となったことを報告しました。
市民が手を取りあって
政治的対立が敵というイメージを作り出しています。ロシア、ウクライナ、日本や他国に住む人々は敵同士なのでしょうか。危機を煽り、自由を奪い、戦争に突き進む政治家の策動を許さず、私たち市民が手を取り合って行動することが重要です。
日本国内でも、全国 で639議会が核禁条約の批准を求める国への意見書を採択しています。政府に批准を求める個人署名は、県内で50万筆を目標にとりくんでいます。年末の国連総会に向けて、職場と地域で署名を広げましょう。