人事院は、8月8日に国家公務員の賃金について、民間との較差が0・23%、921円あるとして引き上げを行うよう政府・国会に勧告しました。また、一時金についても0・1月の引き上げを行うよう勧告しました。
3年ぶりの引き上げ
3年ぶりとなる本俸の引き上げ勧告は、公務労組の運動と春闘での民間労組の奮闘で実現した成果です。
同時に、勧告はわずかな引上げにとどまったことから、若年層の賃金改定だけとなっており、中高年齢層は改定されない問題があります。また、物価高騰のなか実質賃金は減少してしまう水準にとどまっています。
一時金も0.1月引上げとなっていますが、昨年の勧告では0・15月削減されており、回復すらしない低水準となっています。
初任給が最賃割れ⁉
さらに問題なのは、国家公務員の高卒初任給が最低賃金を下回っていることです。勧告では、高卒初任給を4千円引き上げるとしましたが、最低賃金も10月に改定されることから、異常な事態がさらに広がります。
民間企業などが法律によって遵守している最低限度を、国自らが下回ることは許されません。最賃額を一定程度上回る賃金の大幅底上げと、公務員全体の賃上げこそが必要です。