神奈川労連

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労働相談コラム

2022年4月1日

パワハラ対策の実効性を

 2月もパワハラの相談が多かった。大手の警備会社に勤める50代の男性から、「年下の上司から大声で怒鳴られ、一方的に悪く言われた。上司が人事異動を起案しており、『勤務先変更があるかも』と言われた」という相談でした。

 この件は、職場におけるパワハラの定義(労働施策総合推進法30条の2)である、①優越的な関係を背景とした言動、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの、③労働者の就業環境が害されるもの、④上記①~③までの要素をすべて満たすことに該当するものです。

 「組合はあるが、無いに等しい」と言っていましたが、職場の労働組合とよく話し合い、社内のパワハラ相談窓口に相談することを勧めました。

 もう一つは、「20年近く勤めた会社でパワハラにあい、退職することになった。会社もパワハラの事実を確認しているが、『再就職に影響があるから退職理由は自己都合で、ハローワークで会社都合と同じようにできる』と言われた」との相談です。

 会社も認めており「自己都合」にしないこと、ハローワークの認定でも会社都合になる「特定理由」にしてもらうこともできることなどを説明しました。

 問題は、職場に労働組合がないか、あっても労働者とともに動いてくれる労働組合の力が弱まっていることです。また、パワハラが横行し退職者も出るようになれば、単に労働者の尊厳を傷つける行為にとどまらず、経営を悪化させ、社会を悪化させる大問題です。

 使用者に、ハラスメント関連法やガイドラインの主旨を履行させるため、就業規則の改正や相談体制の実効性の確保にむけた、国や自治体からの行政指導が必要になっています。

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