介護する人も受ける人も笑顔になれる制度に
12月5日に横浜健康福祉センターで「第4回介護保険と介護労働を考えるつどい」がおこなわれ156名が参加しました。
労働組合、民医連、一般の介護事業所や県社保協などで構成する実行委員会の主催で午前中は厚労省社会保障審議会介護給付費分科会委員を務められたノンフィクション作家の沖藤典子さんが「介護が変わる、老いが変わる、家族が変わる」と題して記念講演を行いました。
沖藤さんは、介護保険導入で女性が家族介護から解放され介護される高齢者の“快適性”が専門家の目と手で保障されるようになり高齢者の自立意識が高まったが「介護給付適正化(=抑制)」が進められ保険料の上昇と給付の低下、ローカル・ルールの暴走、軽度者の介護外しなどの問題を指摘。
介護職が定着しない原因として50.2%が「仕事のわりに賃金が低い」と回答していることを紹介し「人件費は人権費!」であることを強調しました。
介護保険は5年ごとに制度見直しが行われますが、第5期介護保険の問題点として月5000円もの保険料負担230万人に及ぶ軽度者の介護外し生活援助の切り捨て、利用料の2割負担化地域包括ケアシステムで「公助」ではなく「互助」が強調されていることなどをあげ「政治の決断による公費投入が必要」と述べました。
厚労省社会保障審議会介護保険部会は11月30日に「介護保険制度の見直しに関する意見」との報告書を公表しています。
その中身は、今後の課題として「地域包括ケアシステムの確立」や介護現場の「処遇の改善や人材確保策」を強調しています。
そのいっぽうで「直面するもう一つの大きな課題」として「給付と負担のバランスの確保」をあげ沖藤さんが指摘した負担増や給付抑制を打ち出していることは問題です。
今回初めてケアマネ分科会、ヘルパー分科会施設分科会、訪問・在宅事業分科会そして一般の方々を対象とした分散会を行いましたがどの会場でも各現場の実態や介護保険改善の必要性が議論されました。