最近、ハラスメントに関する相談が多くなっています。相談にのるなかで気がついたことは、ある程度の時間をかけて話を聴かないと、「夜眠れない」とか、「心療内科から薬を貰っている」とかの話が出てこない、ということです。
しかし、よく考えれば、性別年齢にかかわらず、毎日、理不尽な攻撃に辛抱していれば、やがて疲労困憊して心身の不調を覚えるのは人間として当然の自己防衛機制でしょう。
最近は、こちらから積極的にメンタルの状態をお尋ねするように工夫しています。
実は、かつて現職時代にメンタルで休職した部下を復職させるために非常に苦労した経験があります。専門機関の力を借りてリワークプログラムを受けさせ、短時間勤務を経て、フルタイムに戻すのですが、結局、また不調で休み始める、という調子で、メンタル不調の予後は難しいと嘆息したものです。
また、予後の悪かった例として、前の会社でメンタル不調を発症し、休職期間満了で退職後、再就職したらまた発症、数ヶ月休職した後、復職しようとしたら社長から自分の賃金+数十万円の営業収入を自分で営業して稼ぎ出すようにと指示されて、実質的に退職勧奨されている、というご相談もありました。
そんなこともあって、ちょっとでもメンタルの不調がある場合には、証拠保全の意味も含めて、とにかく受診すること、そして、仕事よりもご自分の心身を大事にすることをお伝えするようにしています。
ところで、そんな現状を踏まえて当センターでは9月14日にハラスメントやメンタルの問題について研修会を行うこととしました。読者の皆さまで関心のある方には、せっかくの機会ですので、職場の仲間の相談にのる上での参考にしていただければ、とご案内いたします。