10月18日、「介護保険のいまと未来を考えるつどい」が開催され、介護利用者と家族、介護職場で働く人など、約100人が参加しました。
花俣ふみ代さん(公益社団法人認知症の人と家族の会常任理事・厚生労働省社会保障審議会介護保険部会委員)が、「どうするつもりか介護保険~第8期事業計画、介護報酬改定に向けて~」と題して講演しました。
誰のための「持続性」
花俣さんは、「減らない『介護離職』『介護殺人』」、「年金も減り、ますます厳しくなる生活」、「介護事業所の閉鎖や撤退が増加し、ホームヘルパーなど介護従事者不足もさらに深刻になってきており、今利用しているサービスの継続も困難になるおそれがある」、「18年10月から実施された訪問介護の『生活援助』ケアプラン届け出の一部義務化の影響について、十分に検証されたとは言い難い」、「省令改正による『要介護認定者』の総合事業移行」など、介護家族と介護現場の厳しい実態を告発しました。
こうしたもとで、厚労省の社会保障審議会における、介護保険法の「改正」の検討内容を紹介し、「制度の持続性の確保と言うが、利用者・家族、介護従事者にとっての持続性ではなく、介護費用を削減する制度維持の持続性となっている」と指摘しました。
利用者と家族の立場で
そして、認知症の人と家族の会のとりくみを紹介し、「認知症になっても、介護する側になっても安心して暮らせる社会を」めざしていくと述べ、「介護の利用者と家族の立場に立って、神奈川での運動を進めてほしい」と要望されました。
「訪問介護ヘルパーをしています。改定、見直しのたびに利用しにくくなっていく制度にいつも疑問を持ちます。署名運動など広げたい」、「介護保険は高齢者だけの問題ではない。制度が良くなること、本当に必要なものを求める声をもっと強くしていきたい」などの感想が寄せられました。
現場の厳しい状況
現場からの報告として、三橋良博さん(認知症の人と家族の会神奈川県支部世話人)、遠藤昭さん(遠藤接骨院ヘルパーステーション)、片倉博美さん(民医連事務局次長)から、介護保険制度のもとでの厳しい現状が語られました。
「講師のお話、各分野からの報告とも介護保険の本質を考える上での視点を深められました。様々な面で問題を改めて実感することができた」、「多方面からの発言が、講演のお話しを充分に肉付けしてくれた」などの感想が寄せられています。
第8期事業計画、介護報酬改定に向けて、地域から運動を起こしていくことを確認し集会を終了しました。