12月1日、神奈川労連女性センターは、「2019年はたらく女性の神奈川県集会」を開催し、70人が参加しました。
日々のジェンダー差別
毎日の暮らしのなかでも、「女だから」、「お母さんだから」と「あるある」なジェンダー差別。
日本のジェンダー平等度は149か国中、121位。女性の賃金は男性の7割。非正規雇用労働者の6割が女性。家事や育児、介護など多くの役割をになうことが当たり前とされ、日々ジェンダー差別に突きあたる状況です。
国会議員の暴言や、大学入試における女性差別、週刊誌の女性蔑視記事、性暴力やセクハラに#MeToo、#WithYouと当事者や女性たちが声をあげ立ちあがっています。
NHKでも特集番組
当事者の声が社会を変える原動力。その声に共感する仲間を広げ、ジェンダー平等社会を実現しようと、今年は、韓国で100万部、日本で60万部のベストセラーで、1人の女性が結婚や出産など、人生のさまざまなステージで経験する女性ならではの差別や苦悩を描いた小説「82年生まれ、キム・ジヨン」をキーワードにジェンダー差別について考える集会になりました。
共感の広がりを背景に、NHKでも特集番組が放送されています。そのひとつ「目撃!にっぽん『キム・ジヨンと女性たち~韓国小説からの問いかけ』」を参加者全員で見ました。「これは私のこと」「私も言いたかった」と「ジェンダー差別」をあらためて認識したとの意見もありました。
「ワールド・カフェ」
新たな試みである「ワールド・カフェ」方式でのグループ討論では、「多くのいろいろな立場の方と話をすることは、とても楽しく、貴重でした」との感想が多く寄せられました。労働相談のつながりから、台湾・中国・ネパールの女性労働者の参加もあり、それぞれの国のジェンダー差別を聞くこともできました。
ネオリベ時代の差別
石田・淑徳大学名誉教授の基調講演では、「自分らしくあるために~ネオリベ時代のジェンダー差別をどう乗り越えるか~」と題して、82年生まれ=新自由主義が本格化した世代の生きにくさ、苦悩が生まれる背景を資本主義の変容から明らかにしました。
孤立化、諦め、不信感をもつ女性たちとともに、経済的な不平等への闘いを強め、社会的連帯を取り戻し、個人のリアリティに寄り添う支援の必要を語られました。最後に、誰もが自分らしく生きられるジェンダー平等社会へ、世界と連帯して、職場、地域で各分野、世代から声をあげ、さらに前へとすすめていくアピールを採択しました。