歴代経営陣の放漫経営によって、日本航空は経営破たんし、2010年1月から更生手続きが開始されました。当初、会社は「整理解雇は行わない」としていました。
半年後には日航の収支は急速に回復しました。ところが、9月27日に会社は突然、「希望退職者の人数が目標に達しなければ、余剰人員を解雇する」と言い出しました。解雇回避策の協議を求める団体交渉も拒否され、12月31日に165人(パイロット81人、客室乗務員84人)もの労働者が解雇をされました。
再び労働者を裏切る
当該労働者は職場復帰を求めて裁判に訴えましたが、極めて不当な判決が相次ぎ、15年2月には最高裁で解雇を容認する決定が出されました。一方で、解雇問題についての争議権確立について妨害行為が行われたことについては、労働委員会で不当労働行為が認定され、16年9月に最高裁でも確定しています。
当事者や支援者のとりくみが全国的に展開されるなかで、昨年の株主総会では日航会長が「労組と誠心誠意話しあって解決をめざす」と表明し、特別協議が行われましたが、会社はまともな解決策を提示せず、再び労働者を裏切る態度を取っています。
全国33番目の支援組織
このJAL解雇争議を1日も早く解決させることを目的に、8月27日、「JAL争議を支援する かながわ連絡会」が結成されました。全国で33番目となる支援組織です。
結成集会には、当事者、弁護士、県内の様々な潮流の労働組合、諸団体などから190人超が結集しました。
集会では、新作のDVDを放映。稲盛・日航会長(当時)が、記者会見などで「解雇の必要性がなかった」ことを自ら語っている場面が映し出され、不当性が鮮明になりました。
JAL争議弁護団長の上条弁護士が経過を報告。解決を促すILOからの4回もの勧告の意義などについて述べ、「追い詰められているのは会社」と強調しました。連絡会の運動方針や役員体制などが提案され、確認されました。
当事者からは、「労組とも団結し、早期解決を勝ちとりたい」、「争議を続けていられるのは、あまりに不当な解雇への怒りと支援者の支えがあるから。さらに運動を強化する」などの決意が表明され、満場の拍手に包まれました。
神奈川労連としても連絡会に結集し、とりくみを強化します。行動への参加など、支援を呼びかけます。