パワハラによる退職の話です。A子さんは昨年12月、就活誌に載っていた酒問屋に正規社員として雇用されました。しかし雇用契約書はなく、20人ほどの会社なので、就業規則も見せられていません。
当初仕事は経理関係となっていましたが、実際は売掛けの請求書作成で、社長自ら1日100枚くらい作成していたものを半分肩代わりして行うことになりました。最初の慣れない段階から、「仕事が遅い」「給料泥棒」などと言われ、残業して努力しましたが認めてもらえず、「来月から給料を減額する」と社長から言われ、生活できないので2月に自己都合で退職を余儀なくされました。
何度も離職票を会社に請求し、ハローワークに提出したところ「自己都合退職」のため、雇用保険の受給資格は一般受給資格者扱いになり、会社都合の特定受給資格者(3か月待機なし、給付期間優遇)になっていませんでした。
ハローワークの窓口で、給料の減額やパワハラの事実を訴えたところ、「特定受給資格者」扱いにするには、在職者2名の「ハラスメントがあった証言」をもらってきてくださいと指示されたということでした。心配は、証言してもらうことで、その同僚が社長からパワハラを受けないか、という問題です。
「自己都合であっても、パワハラがり、辞めざるを得ないのであれば、会社都合による退職と同じ扱いに変更できる。そのために証言記録が必要であって、社長に見せるものではないので、同僚に説明して証言を書いてもらうように」と回答しました。
なお、今後は働くにあたり、神奈川県が発行している「労働手帳」を読むように勧めました。