「働く女性の県集会」が11月17日に開催され、約70人が参加しました。機関紙印刷所労組・木下さんの爽やかな歌でオープニング。「女性・非正規の排除と民主主義」と題して、川西玲子さん(NPO法人・働き方ASU-NET)が記念講演を行いました。
長続きしない社会
川西さんは、安倍政権が進めている政策は、「ワーク・ライフ・バランス」ではなく、「ワーク・ワーク・バランス」で、女性が職場でも家庭でも重い責任がある状況と指摘。そして、統計や実例も示しながら、「多くの女性が出産後に非正規労働者にならざるを得ない」、「女性と非正規の差別の根源は同一で、シングルマザーの貧困は最悪レベル」、「高齢女性の貧困率も高く、生涯にわたる格差」など女性をめぐる問題を述べました。
女性・非正規労働者が社会から排除される一方で、莫大な利益が大企業に集中している現状について、「日本の民主主義はまさに危機的状況。このような社会は長続きするわけもなく、『平等』と『人権』の視点によって社会を再構築することが求められている」と強く訴えました。
韓国の主権者意識の高まり
現状を変えるヒントとして、「政治は変えられる」という主権者意識が広がっている韓国のとりくみをとりあげ、川西さんが韓国・ソウルを訪問した際の現場の写真を交え、活動を紹介しました。
「ロウソク革命」と呼ばれ、保守政権を打倒した行動には、国民の3分の1にあたる延べ1600万人が参加し、政権打倒後も「キャンドルを職場に」と問題を黙認せず声に出そうという運動が広がっていると報告。そして、運動のなかから、労働者の権利を守る重要な2つの法律が成立する方向であることを紹介しました。
民主主義を手に入れる
メディアのあり方についても強調。韓国では、保守政権によって徹底的にマスメディアが統制され、大企業や政府に都合の悪いニュースはまったく報道されない「無報道現象」という状況があったと述べ、それを乗り越えるために、労働組合や市民が支える2つのメディアが立ち上がっていることを紹介しました。
最後に、「能動的な活動なくして民主主義は手に入らない。世界は人間の尊厳や人権擁護の流れに向かうなかで、日本では逆行した動きがある。女性の輝く未来を創るためにあらゆる運動の力を結集していこう」と呼びかけました。講演後には分科会などが行われ、言いたいことをワイワイしゃべったり、ヨガでリフレッシュしたりと有意義な集会となりました。