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2018年5月11日

「格差」の問題ではなく「生存」の問題 かながわ社会保障学校に125人

 4月14日、県社保協主催の「第18回かながわ社会保障学校」は、「社会保障制度は国民の権利」をテーマに開催し、125人が参加しました。

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高齢者の貧困

 高齢者の「貧困」 第Ⅰ部は、唐鎌直義さん(立命館大学産業社会学部教授)より、「国民の権利としての社会保障制度の拡充を」~「格差」と「貧困」をなくすために~と題しての講演。

 1980年代半ばから、新自由主義による自己責任論が強くなり、いまや貧困や下層を叩く論調や社会になっていることを指摘し、「特に高齢者は『世代間の均衡論』の攻撃にさらされているが、実態としては高齢者世帯の27%が貧困状態(生活保護基準以下)におかれ、ひとり暮らし高齢者の平均年収は140万円と生存が脅かされている」と高齢者の貧困状態を明らかにしました。

 そして、「この事態は『格差』の問題ではなく、『生存』の問題である。根本的には『社会保障の問題』である」と論じました。

消費税負担が深刻

 なぜ高齢者が貧困状態に追い込まれているのか、その原因についても言及しました。公的年金の給付水準が、2002年に比べ2014年には約18万円も減り低下していることや、高齢者医療給付費は、1999年から2008年の間に約25万円減少し、激減していることなどを批判的に指摘。

 さらに、「消費税率引き上げが、余力がない高齢者にとって深刻な負担になっている。一方で、収入に比べ消費支出の少ない富裕層の税負担率は、はるかに低い」と強調し、「イギリスは20%の税率だが、食料品やぜいたく品などきめ細かい税率設定がされている。日本の消費税は廃止すべきだ」と断じました。

3つにわかれ学習

 講演内容について、「高齢者の置かれている実態や貧困の状況が良くわかりました」、「社会保障の大切さ、権利であることの重要性が理解できた」などの感想が寄せられました。

 Ⅱ部は、①討論会「唐鎌先生とともに社会保障制度拡充の運動を語り合う」、②基礎講座「年金について学ぼう」、③基礎講座「生活保護について学ぼう」、の3つにわかれて学習し議論を深めました。

 多くの方が内容や運営について「良かった」とのアンケート回答を寄せており、国民の権利としての社会保障の確立に向けた運動に力を注ごうという気運に満ちた学校となりました。

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