この間、神奈川労連は介護関連労働者の組織化を最重点としてとりくんできました。これまでのとりくみが実を結び、5月12日に県医労連に新組合「ケアスタッフユニオンこみゅにてぃ」が19人の組合員で誕生しました。5月18日には第1回の団体交渉が行われ、賃金引き上げなど要求が実現しています。
事業主との関係がきっかけ
組合結成のきっかけは、昨年と今年の「介護のつどい」に、介護事業所(有)コミュニティの事業主が参加し、関係を構築したことです。事業主から「介護保険制度の改善要求を介護職の現場から上げていくこと、介護職員同士のつながりを広げていくことが重要だ」との問題意識が話され、労働組合結成にむけた具体的な相談が始まりました。
事業主を通じて県医労連の役員などが、職員のみなさんと懇談会を開催したり、職場の花見に参加するなどして関係を深めてきました。そして、職員数名と県医労連、県社保協役員が何度か準備会をもち、「労働組合とは何か」などの学習にもとりくみながら、12日の結成大会を迎えました。
結成大会には、職員10人が参加。事業主も来賓として参加し、「介護は制度そのものを良くしないとどうしようもない。組合を通じて学び、大きな輪をつくってほしい。組合結成を心から歓迎する、ともに頑張ろう」とエールが送られました。
日本医労連の米沢中央執行委員は「私自身も介護現場で働いていた時、制度の問題を実感した。制度や労働条件は変えられる。みなさんが声をあげていくことが大事。待っているだけでなく、運動に参加して仲間を増やしてほしい」と期待を込めた激励がされました。県医労連や県社保協、全労連、横浜労連からもお祝いに仲間が駆けつけました。
執行部は全員20代
組合は、常勤職員12人、非常勤職員5人の全員が加入するユニオンショップとしました。登録ヘルパーさんは任意ですが、すでに5人中2人が加入しており、全員の加入をめざしています。
10年以上前にネパールから来日したクンワル・ラジェスさんが執行委員長、副執行委員長と書記長は女性で、全員が20代のフレッシュでパワフルな執行部も確認されました。
ラジェスさんは「労働組合はスタッフの気持ちを大事にするところ。みなさんの要求をしっかり伝えていきたい。介護保険制度の改善にもとりくみたい。皆でこの組合を育てていきましょう」とあいさつしました。
18日の第1回団交では、賃金を組合費を大きく上回る月額平均7200円引き上げること、パートは時間額150円のアップ、医労連組織共済1人月額400円は会社が負担すること、チェックオフとユニオンショップの合意など要求を実現しています。