4月23日、県社保協主催の第17回かながわ社会保障学校は、89人が参加し開催されました。社会保障学校は、安倍政権ののもとで、国民の基本的な権利をないがしろにする社会保障制度の改悪がすすめられていることから、「権利としての社会保障制度の確立を」をテーマにしました。
公的責任を放棄
講演Ⅰとして、芝田英昭・立教大学教授が、「社会保障解体を招く『我が事・丸ごと』地域共生社会の本質」と題して話しました。
強行採決された「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案(介護保険法等改正法案)」は、わずか22時間の委員会審議で衆議院において強行採決された。この法案は、介護保険法の改正だけに止まらない。健康保険法、児童福祉法、医療法、社会福祉法、老人福祉法、地域保健法、生活保護法、地域再生法、子ども・子育て支援法等を含むなんと31法の改正。
「地域共生社会」は、地域に生起するあらゆる課題・問題を地域住民が自助・共助を基本に解決して行くとしている。この方向性は、生存権を公的責任のもと具現化した社会保障制度の基盤を揺るがす重大な誤謬を犯しかねないと告発しました。
そして、「地域共生社会」は、憲法の改悪とつながり、公的責任を放棄し変質させることが狙いであることから、ますます住民共同の運動・実践が必要になってきたと言えると締めくくりました。
「地域共生社会が憲法改悪とつながることが理解できた」、「自己責任を押し付け、国民を置き去りにしている」、「不公正な社会を変える運動を強めなければ」という感想が寄せられました。
講演Ⅱとして、井上伸氏(国公労連)が、「格差と貧困を生み出す税財制を切る」と題して話しました。
データを駆使して、大企業と資産家に優遇されている税財政の実態を告発しました。そして、税の徴収と使い方を抜本的に変えて、社会保障拡充の税制への転換ができることを明らかにしました。
「消費税は社会保障の財源というウソ、国際比較もあって理解が深まった」、「不公正税制の実態が理解でき『軍事を削って社会保障に』が正当な主張であると理解できた」などの感想が寄せられました。
最後に、「国保市町村調査の概要」を県社保協より報告して終了しました。社会改悪の現状、背景とねらい、たたかいへの展望を明らかにできた社会保障学校でした。