有期雇用で5年働いた労働者が無期雇用に転換できる権利が来年4月から発生します。これを回避するための雇い止めが横行しています。
相談センターに寄せられた女性労働者からの事例です。ある鉄道会社の子会社で契約社員として4年6か月働いてきました。6か月更新です。2月に4月1日からグループ会社への転籍を通告されました。退職届をだすように言われましたが、5年で無期転換できることを知っていたので、どうなるのか聞きましたが回答がないまま話が進んでいることに不安を感じての相談です。
労働時間も30分長くなるのに賃金は20円しかアップしないので実質賃下げです。夜勤もあるのですが男性もいるのに女性の更衣室もなく、仮眠室は男女共用で交代で使用するとのこと。転籍になるのは5年以上の労働者が2人、4年6か月が1人、3年が1人です。
労働相談センターに来てもらい対策を相談しました。その後、会社との面談があり無期転換などの説明を求めるなかで、「無期雇用の方向で契約は続行する。労働条件は今後話し合って改善していく」ことになりました。
一般財団法人消防試験研究センターの笠原榮子さんは労働組合に加入し、雇い止めを撤回させ無期雇用を勝ちとりました。多くの労働者を励ます画期的な成果です。先日の労働相談センターの「労働契約法」の学習会で笠原さんは「泣き寝入りしないで立ち上がりましょう」と労働組合に加入して闘うことを訴えていました。
安倍政権は「働き方改革推進」と口では言っていますが長時間労働の是認など逆の方向です。「改正労働契約法」の『5年ルール』の適用逃れを許さず、無期雇用を勝ちとる運動が大事です。