神奈川労連では、県内に事業所のある企業がどれだけの内部留保を有しているのかなどを明らかにし春闘での大幅賃上げが充分に可能であり地域経済の活性化にもつながることを明らかにする「ビクトリーマップ」を毎年作成しています。
不況でも溜め込みを増やす
ビクトリーマップの調査対象は県内に500人以上の労働者がいる企業のうち財務諸表の入手可能な112社です。内部留保は66兆8708億円で1年間に3532億円増やしています。従業員1人あたりでは1610万円にもなります。
業種別にみると金融、情報通信、運輸・倉庫、電力・ガスなど10業種で内部留保を増やしています。
個別企業では1年間に1千億円以上増やしたところが富士通1910億円、東芝1492億円、朝日生命1738億円日本電信電話1418億円、日本生命保険1104億円東日本旅客鉄道1024億円の6社で全体では65社が内部留保を増やしています。前年度より増加させた企業が増えています。
浜銀は1人あたり1億円超す内部留保
1人あたりの内部留保額でみると企業別では番付に示すとおり横浜銀行が1億1246万円で1人あたり1億円を超えています。経常利益は、前年はすべての業種で減らしましたが今年度は9業種で増加させ4兆3189億円(100.3%増)となっています。個別企業では9企業が1千億円以上の利益を上げ赤字企業は18社(16%)だけでした。
株主配当は、親会社単体のみで日本電信電話1587億円、キヤノン1357億円と2社が1千億円以上配当し無配が18社。92社合計で1兆円以上の株主配当を行っています。
親会社分だけでも株主配当を従業員に回せば1人あたり24万円支給が可能です。
また、役員報酬も日産が取締役平均で1億6千万円(カルロス・ゴーンが8億9千万円)ソニーが執行取締役平均で1億2千万円など莫大な額が支払われています。
これら112社の労働者すべてに1万円賃上げ(ボーナスは夏冬で5か月)するためにはたった1.06%の内部留保を取り崩すだけで可能です。
仮に県内労働者400万人に1万円賃上げしたとすると県内経済への波及効果・生産誘発額は総額3200億円となります。
2万円ならば倍です。
労働者の賃上げこそ地域経済回復の確かな道です。
経団連包囲行動に1000人が集結
このように大企業が莫大な利益をためこむなか日本経団連包囲行動が1月14日にとりくまれ神奈川からも多くの仲間が参加しました。
昼休みの時間帯に東京駅近くの丸の内仲通りをデモ行進。1000人の仲間が集結して「怒り」の包囲行動を展開しました。
大黒・全労連議長は「TPP参加や消費税増税など財界・大企業のもうけを優先させる流れを変え、内部留保を社会に還元し、賃金と最低賃金を引き上げる以外に景気回復する道はない」と主催者あいさつ。
神奈川労連女性センターとして日産争議原告の土屋さんが日産での「非正規切り」の実態を告発し「ぼろ儲けをしている日産は株主と経営者のためだけでなく、労働者・下請けの生活に責任を持っている。内部留保を活用することが必要です」と訴えました。
最後に、経団連会館にむかって元気よくシュプレヒコールをぶつけました。
県内の各駅頭でも宣伝
1月7日には県内の各駅頭でも宣伝がおこなわれ県民や労働者に内部留保の還元や賃上げでの景気回復を訴えました。