新しく全労連全国一般に加盟したのは、箱根温泉供給株式会社従業員組合の仲間です。その名の通り、箱根で温泉供給を行う会社で、大涌谷の設備で町内の旅館・ホテル・住宅・保養所など400軒に温泉を供給しています。
湯量と温度が低下
しかし、火山活動の影響で通常一日当たり約3600トンの湯量が約1600トンに減少。3地域へ送っている配当ルートの一つがパイプの破損から流れず、旅館など約120軒への供給がストップし、いまだ修理ができていません。
設備は配管などに硫黄が詰まることから毎日保守点検が必要ですが、火山性地震が600回を超えた6月30日以降、9月14日まではメンテナンス作業ができず、温泉の供給量は減り、温度も摂氏35度前後まで低下しました。
気象庁が9月に入り、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げると発表。2か月ぶりの入山を9月15日に行い、大涌谷内の温泉造成機のメンテナンス作業を再開し、湯量が若干回復し、温度も摂氏55度前後まで戻りました。現在も少しづつではありますが、温泉供給量を増やしています。
組合員一同で話し合い
この突然の火山活動の影響により、会社では従来の仕事ができなくなりました。8月には、会社からシフトの変更について説明があり、同時に給料の減額についても説明がありました。減額については、「この状況のなかでは仕方がない」と従業員同士で話しをしましたが、先行きが見通せず、「給料がいつまで保証されるのか」、「仕事はどうなるのか」など、不安が募りました。
これまでは会社も安定し、給料も特に不満はありませんでしたが、家庭もあり不安も大きくなっていったことから、相談先を探すことになりました。インターネットで検索して、神奈川労連の労働相談センターに相談し、全労連全国一般とつながりました。「これまで従業員組合として特に運動していませんでしたが、今の状態で自分たちの将来を考えると、このままでいいのかという思いになり、加入を組合員一同で話し合い決断しました」
組合員は、「会社と対立するつもりはありませんが、会社も大変な状況で私たち労働者も将来の不安はぬぐえません。対等の立場で納得できる話し合いができれば」と考えています。
「いろいろアドバイスをもらいながら組合活動を行い、会社と従業員とがより良い関係をつくり、家族にも不安を与えないような会社をつくっていきたいと考えています」