神奈川では初開催となった「中央社会保障学校」が、10月15日から3日間の日程で開かれました。
初日は、ジャーナリストの堤未果氏が「沈みゆく大国アメリカからの警告」と題して講演。
沖縄タイムス東京支社報道部長の宮城栄作氏は「戦後70年『沖縄問題』の考え方」と題し、本土決戦の盾とされ犠牲を強いられた沖縄に米軍の強奪により米軍基地がつくられたという歴史的経過に触れて、沖縄の苦悩を告発し県民が一体となった辺野古新基地建設反対の闘いを報告。
2日目も2人の方が講演。神奈川労連の住谷和典事務局長は「最低賃金と社会保障」と題して生活保護基準よりも低い最低賃金が決定される仕組み(国の誤魔化し)を明らかにし、全国初の神奈川の最低賃金裁判の意義にも触れて賃金と社会保障の関係を解明。「ハローワークと派遣会社がつながっている実態に驚いた」、「勉強になった、今度は時間を倍にして聞きたい」などの感想が寄せられ、用意した本や実態報告書が飛ぶように売れました。
確信を与えた渡辺講演
続く一橋大学名誉教授の渡辺治氏は「戦後70年・帰路に立つ日本の平和・憲法・社会保障」と題し、新たな情勢の変化や共同の広がりを語りました。特に「戦争法の反対運動をふり返る」について論じた部分は、今後の活動に勇気と展望を与える内容でした。
「反対運動の昂揚の原動力」として「2つの共同」を指嫡。第1は「運動団体間の共同」で、これまでの反貧困運動、反原発運動以来の共同の積み重ねと市民運動の媒介によって、連合系と全労連・全労協の共闘組繊として「総がかり行動実行委員会」が結成され、この運動が議会内での政党間の共同や宗教者全国集会、法律家6団体共闘、学者の会など各分野の共同を促進したこと。
第2は政治的立場を超えた「平和と民主主義の共同」で、平和への声と民主主義・立憲主義破壊反対の声が合流し、憲法審査会での参考人3人の違憲発言や広範な弁護士会の立ちあがり、全国各地のシールズやママの会などの運動の広がりにつながったこと。
今後の課題としてこの2つの共同を守り、安部内閣打倒、戦争法廃止に向けた共同へ発展させること、さらにこれらの運動とTPP・社会保障解体など新自由主義改革に反対する運動との合流、原発再稼働反対・辺野古基地建設阻止の開いとの合流が重要であることが強調されました。
シンポやフィールドワークも
2日目午後は「社会保障解体を許すな」と題し、横山壽一金沢大学教授が基調講演を行い、3人のシンポジストによるシンポジウムを開催しました。
3日目はフィールドワーク(横須賀軍港めぐり)と芝田英昭立教大学教授による社会保障基礎講座が並行して行われ、どちらも「参加してよかった」、「学習になった」などの感想が寄せられました。
総じて参加者の反応は良く、新聞折り込みを見て参加した方もおり、こうした企画を設けたことへの感謝と激励に加え、地域で闘う決意も寄せられました。