「羽田空港衝突事故をふり返る4・11緊急院内集会」が、衆議院会館で106人の参加で開催され、6人の国会議員(立憲、共産、自民、沖縄の風)と社民党をはじめ各会派11人の議員秘書が参加しました。
夜は見えにくい
元パイロットのJHU(JAL被解雇者労働組合)の山崎書記長は、米国ではパイロットの誤認による滑走路の誤侵入が年間1千件以上起こっているが、パイロットの着陸復航(ゴーアラウンド)で危機を回避している。なぜ、日航機が滑走路上の海保機を視認できず、ゴーアラウンドできなかったか。
日航機の操縦席正面の窓にある計器情報を透過表示するヘッドアップディスプレーが夜は見えにくくパイロットは視点や焦点の移動が難しい問題点を指摘しました。
航空機は1・8倍
現役管制官の国土交通労組の佐藤副委員長は、管制官は過去10年間で1900~2000人で推移しているが、航空機は過去19年間で1・8倍に増えている。羽田空港は世界3番目の混雑空港だが、ぎりぎりの人員で運用している。
事故後、誤侵入を確認する地上監視レーダーのモニター業務を増員ではなしに、既存要員で行っており、労働強化になっている。事故の再発防止のためには管制官の増員が必要だと訴えました。
職業的位置づけ
元客室乗務員でJHUの宝地戸副委員長は、ベテランが3か所の非常口を開放し、脱出誘導したことを高く評価する一方で、事故発生から全員脱出まで18分かかっており、国際基準の90秒脱出ルール(脱出口開放から90秒以内に乗客乗員全員脱出)にてらして、その原因を解明することが重要だと報告。
また、国交省の50席に1人の客室乗務員の配置基準では、非常口に全員が配置できない機種があること、客室乗務員の職業的位置づけ(総務省分類)は「接客・飲食給仕従事者」なので、航空法上の「航空従事者」に位置づけ、欧米並みのライセンス制を導入すべきと問題提起を行いました。
最後にJHUの山口宏弥委員長が「JAL解雇はモノを言う組合つぶしであり、航空安全に逆行している」と述べ、都労委斡旋を含む解雇争議の早期解決を求めました。