ミスタードーナツで店長をしていた山口博之さんは、長時間・過密労働で「うつ病」と診断され、休業を余儀なくされました。店長の仕事は、(1)現場作業、(2)売り上げを上げるための戦略、(3)アルバイトの採用及び教育、(4)原価や人件費等の経費をコントロールする、(5)お客のクレームの対応等に追われるなどで、昼の食事もドーナツを揚げながら食べていました。
勤務時間は午前8時から午後4時となっていますが、実際は始発で家を出て終電で帰ることも多く、月100時間を超える残業をやらされていました。しかし、会社は「勝手に残ったから」「店長だから」といって残業代は一銭も支払われていません。
ミスタードーナツの店舗で、多くのアルバイトを雇いながら正規職員一人という働き方、そして店長としてノルマ達成は企業による至上命題となっていました。長時間労働であっても労働時間を短く報告し、山口さんの肉体的、精神的負担はたいへんな状況にありました。
このような中でうつ病を発症し、それが原因で夫婦関係もこわれ、離婚という結果を招き、何度も自殺を考える事態にもなりました。
山口さんは、働くもののいのちと健康を守る神奈川センターに相談、さらに全労連・全国一般に個人加入し、労災申請に踏みきりました。アルバイトの労働者からたくさんの「山口さんの仕事は長時間労働であることは明らかで、肉体的、精神的にも大変な負担があった」という同意書が寄せられ、労働基準監督署に提出しています。現在横浜西労基署で審理が進められていますが、近日中には結論がでることとなっています。