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2023年9月1日

神奈川地方最低賃金「41円」引き上げ、時間額「1,112円」の答申「物価上昇に及ばない不十分な水準」

 神奈川地方最低賃金審議会は、今年度の最低賃の改定について「41円」引き上げて「時間額1112円」とする答申を行いました。10月1日から適用になる予定です。

生活改善できない

 近年を上回る引き上げの答申が出されたことは、未組織の仲間も含めた労働者の要求を集め、大幅引き上げを求めて運動してきた成果です。

 同時に、引き上げ率は3・83%であり、神奈川県内の物価上昇率4%を下回っています。これでは、実質的な賃金引き上げとならず、生活改善できません。

 神奈川労連やユーコープ労組は、この点も含め答申に対する異議申し出を行い、大幅引き上げを行うよう再審議を求めましたが、事業者の支払い能力などを理由として認められませんでした。

 神奈川では、最低賃金裁判などもとりくむなかで、この20年間に400円以上の引き上げを実現してきました(グラフ参照)。月額換算では6万円以上となります。

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2千円超の国も

 諸外国と比べ日本の賃金が低いことが明白になり、経済成長できない要因になっていることは、公労使問わず共通認識になっています。

 全体の賃金が低い原因の一つが最低賃金の低さです。今年の引き上げによって、全国の加重平均の最賃額は1004円になります。

 やっと千円を超えますが、諸外国では1500円があたり前、2千円を超える国もあり、差は広がるばかりです。お隣の韓国も来年春には、日本の最賃額を上回る水準への引き上げが決まっています。

 日本でも生計費を満たすには「時間額1500円以上」が必要であることは、全国の仲間の調査でも明らかです。一刻も早い実現を求めていきます。

次々とプラス答申

 最賃額の格差が賃金全体の格差につながり、若い労働者の地方からの流出が問題になっています。県知事が最低賃金の引き上げや格差の是正を求める県もあるなかで、全国の仲間の奮闘によって、「目安」にプラスする答申が各地方で相次いでいます。

 佐賀県で、これまでにないプラス8円の答申だったのをはじめ、昨年を上回る24県でプラス答申となっています(左下参照)。しかし、岩手県が目安通りであったことから、最高額の東京との格差は「220円」に広がっています。

 地域経済に不均衡をもたらし、労働者にとっても経営者にとっても矛盾となっている格差を解消し、全国一律の最低賃金制度にすることが必要です。

 全労連は来年の国会での法改正をめざし、全国的な行動を呼びかけており、神奈川でも具体化をしてとりくみを進めます。

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「目安」にプラスの答申が出た地方

【+8円】佐賀
【+7円】鳥取・島根、山形
【+6円】青森・大分・熊本、長崎
【+5円】秋田・宮崎・鹿児島・高知
【+4円】愛媛・沖縄
【+3円】福井
【+2円】福島・茨城・石川
【+1円】千葉・栃木・新潟・徳島・兵庫・福岡

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