神奈川労連

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労働相談コラム

2015年9月4日

闘いが権利を前進させる

マタニティ・ハラスメン(マタハラ)が話題になっているが、相談も増えている。ある大手事業所で働く勤続12年の女性からの相談。育休後、元の職場に復帰して2年半になるが、育休前は毎年昇級したのに昇級が一度もなく、部長から「産休・育休で休んだから昇級はない」、「育児と仕事の両立は無理」との発言を受けるようになった。

契約社員の女性は店長だったが、妊娠を報告すると「まだ妊娠しないと言ったから店長にしたのに無責任だ」とマタハラを受け続けている。別の女性は、パートから正規になったが妊娠したら「産むのか」と言われ、育休も取らせてくれないので、労働相談センターに相談したことで育休を取得できたが、復帰後「戻って欲しくない」と解雇通告を受けた(労働審判を準備中)と枚挙にいとまがない。

妊娠中の女性の軽易業務への転換は労基法65条で義務付けられている。妊娠出産を理由とする不利益扱いは男女雇用機会均等法第9条で、育休等の申し出や取得等を理由とする不利益取り扱いは、育児介護休業法第10条で禁止されている。

昨年、広島の病院で理学療法士として働く女性が「降格させられたのは均等法に違反する」として裁判に訴え、最高裁はマタハラに対する初の画期的な判決を出したが、厚生労働省はこれをうけて通達改正の指針を出した。

「妊娠出産の事由を契機として不利益扱いが行われた場合は原則として妊娠出産等を理由として不利益扱いがなされたと解される」と、一歩踏み込んだ内容となっている。この「契機」については、「基本的に当該事由が発生している期間と時間的に近接して当該不利益取り扱いが行われたか否かをもって判断する」としたのである。

安倍首相は「女性が輝ける社会をめざす」と宣伝しているが、派遣法改悪を企むなど働く者の願いとは逆行している。泣き寝入りしないで先輩たちが勝ちとってきた権利を守って働き続けることが大事だ。

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