神奈川労連は最低賃金裁判も闘いつつ、年金者組合、神奈川県生活と健康を守る会(神生連)、県社保協の4団体で「25条共闘」のとりくみを進めてきました。
全国一律最低賃金制度、最低保障年金制度、生活保護制度を中心としたナショナルミニマムの確立をめざす緩やかな共闘であり、昨年度は共同で生活実態調査を行い、佛教大学の金澤誠一教授の協力を得てまとめを作成し、労働者、高齢・年金受給者、生活保護世帯の分野ごとに調査結果を発表し、それぞれのダイジェスト版の報告書も作成しました。
生保も年金も削減強行
生活保護では自公政権により老齢加算や母子加算が廃止され、全国では生存権裁判が闘われてきましたが(母子加算は民主政権下で復活)、安倍政権は3年間にわたる過去最大規模となる生活保護基準の引き下げを強行し、この4月から3度目の削減が行われました。
こうした事態に神生連では不服審査請求の闘いを進め、今年4月の削減に対しては280人以上の方が不服審査請求を行っています。これまでの不服審査請求はすべて却下されてきたことから、さらに運動を前進させる一環として、25条共闘として協力しながら裁判闘争を準備しています。
昨年11月30日には「神奈川生存権裁判を支援する会」の結成総会を110人の参加で大成功させ、原告予定者は25人を超えています。いよいよ弁護団の体制も決まりつつあり、9月には提訴する方向です。
一方、年金も3回にわたって2・5%の削減が強行され、年金者組合は県内で1千人を超える仲間が不服審査請求にとりくみ、裁判に立ち上がることにしています。原告は200人迫る状況で、遅くとも7月には提訴する方向で準備を進めています。
当事者が声を上げる
神奈川ではナショナルミニマムをめぐり3つの裁判闘争が並行して闘われるという「騒然たる事態」が繰り広げられることとなります。いずれも当事者が声を上げ社会にアピールする画期的なとりくみです。
これらの闘いは、集団的自衛権行使や戦争法案、憲法改悪のみならず、労働分野や社会保障分野でも暴走する安倍政権に対し、大きな痛打を与えるものとなります。
神奈川労連として25条共闘に結集し、最賃裁判とあわせて生存権裁判・年金裁判を自らの闘いとしてとりくみ、ナショナルミニマム確立の大きなうねりをつくることをめざします。